酒さの赤みを軽減する新薬を米FDAが承認
2013.09.3
編集部
スイスの皮膚科学の研究会社ガルデルマは、米国食品医薬品局(FDA)が同社が開発したロザケア(酒さ)の治療用局所ゲルMirvaso®(ブリモニジン局所ゲル0.33%)を承認したことを8月26日発表した。この新薬が酒さの赤み軽減に迅速に作用するという臨床試験結果を踏まえ、FDAは18歳以上の成人を対象に一日一回の適用を2013年9月から認める。
酒さは顔面に炎症を伴う慢性血管疾患。その症状の類似性から「大人のニキビ」と間違われることがあるが、ニキビとは異なる疾患で、顔面に赤み、小さな吹き出物から毛細血管の拡張などの症状を引き起こす。酒さを完治させることは困難な現状では、症状を軽減することや症状が出ない状態を維持することが効果的な治療法ともいわれている。今回の新薬認可について、「皮膚の赤みの症状は酒さの中で最も一般的な症状であるが、これまで即効性のある治療オプションがなかったので、Mirvaso®は酒さの治療のターニングポイントになるだろう」とルイビル大学医学部皮膚科のマーク・ジャクソン教授はコメントしている。今後は、酒さの赤みに起因して日常的な不満や不快感を感じる患者へ効果的なセラピーを提供することが可能になる、ともしている。
同社は既に認可されている飲み薬Oracea®(ドキシサイクリン、USP) とMetroGel® (メトロニダゾール)のゲル1%という酒さの治療薬ポートフォリオにMirvaso®を加えることになる。
ガルデルマ社はスイスの食品最大手ネスレと仏化粧品大手ロレアルが共同出資して1981年に設立したベンチャー企業で皮膚科を専門に研究開発に携わっている。日本では日本法人ガルデルマ株式会社(東京都新宿区)が尋常性ざ瘡(ニキビ)治療用の外用剤とモルホリン系抗真菌剤を医療機関に販売している。