毎日の食事のカロリー計算をさりげなく、簡単に
2013.09.6
編集部
カロリー計算は、肥満や糖尿病などの多くの慢性疾患で健康維持のために重要である。しかし、実際にカロリー計算をしてみると、頼りになるのは「食品栄養表」で材料ごとに細かく計算するか、またはおおまかなカロリー計算で満足するしかないのが現状だ。
今回、中国と米国の研究者らは共同で、写真から簡単にカロリー計算ができる方法を、計測学の国際誌「Measurement Science and Technology」10月号に発表した。
この方法は、食品の写真画像からカロリーを計算できるもの。使用される機材はシャツに付けることができるほど小さなボタン状のデバイス。携帯電話での撮影と異なり、日常生活に干渉することなく、さりげなく画像を撮ることができる。
食品容積の推計には3D座標軸を用いた。今回、研究者らは、この計算式に十分な性能があることを確認した。容積推計の終わった画像は、栄養学データベースなどと比較し、カロリー量と栄養を決定する。
日本における食事摂取基準量は策定が遅れがちのようだ。「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の基礎代謝基準値( kcal/kg/日)は、1960年前後に得られた日本人のデータから、平均的な体格の人を基準に作成という古いもの。このため、2007年には国立健康・栄養研究所が基準量算出のために以下の計算式を発表している。
((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-性別*1))×1000/4.186
注)*1;男性=0.5473×1、女性=0.5473×2
医療機関では患者個々の消費エネルギーを正確に知る必要があるため、その測定法として、発生した熱を直接測定する「直接熱量測定法」、または体内で利用した酸素の消費量から、間接的に熱量を推定する「間接熱量測定法」が用いられている。「直接熱量測定」は専用の実験室が必要となるため、より簡易な「関節熱量測定法」が用いられることが多い。この方法では、呼気中のガスを分析することで酸素摂取量を測定し、この酸素摂取量からエネルギー量を換算する。