消費者は割引よりもフリーギフトに弱いかもー最近の研究結果
2013.09.9
編集部
消費者は商品の割引プロモーションよりもFree(無料)ギフトにより価値を見い出す傾向がある━。Journal of Consumer Researchで新しい研究結果が発表された。特に、ハイエンド・ブランドで無料の製品とペアリングすると、販売製品の価値観をより高めることができるという調査結果がでた。
豪モナシュ大学の講師、Mauricio Palmeira 氏、米メリーランド大学ビジネススクール教授、Joydeep Srivastava 氏らの研究グループが消費者の購買動向を研究するために種目別に実施した調査結果のデータを解析した。
ある研究では、トマトソースとスパゲッティを製品対象として調査した。参加者は8.95ドルの有機トマトソースの瓶を購入するとスパゲッティを無料、または割引価格で提供された。無料のスパゲッティを提供された参加者を対象に、「もし、スパゲッティを自己負担で購入するとしたら、いくら支払うか」という設問をした。参加者の平均希望購入価格は2.95ドルだった。
一方、スパゲッティを割引価格で提供された参加者は、50セント(0.5ドル)を有機トマトソース8.95ドルに加算して支払った。「もし割引なくスパゲッティと購入するとしたら、いくら支払うか」という設問に対する参加者の平均希望購入価格は1.83ドルだった。
無料の製品は高価な製品とペアリングされている場合、消費者はその無料製品の価値を、割引価格で提供された場合より高価に仮定する傾向があると研究者は指摘する。例えば、高級宝石商がキャンペーンで無料のワインを提供するとあると、顧客はそのワインは安価ではないと仮定する。もし、高級宝石商がワインを1ドルで提供するキャンペーンをすると、このワインの価値は下がってしまう。さらに、「メルセデス・ベンツが、もし無料のナビゲーションシステム搭載の車を推進するなら」、消費者はそのナビゲーションは高品質であることを期待するだろうと説明を加える。
アメリカ市場で春、秋、さらにクリスマス商戦にはプレステージブランド、ランコム、クリニークなどが数十ドル以上の製品を購入すると、無料ギフトを提供するキャンペーンが恒例で繰り広げられる。今秋もこのシーズン到来のようだ。