株式会社ファンケル（神奈川県横浜市／代表取締役社長CEO：島田和幸）とキリンホールディングス株式会社（東京都中野区／代表取締役社長：磯崎功典）は8月20日、キリンが開発した「熟成ホップエキス」の化粧品原料化の成功と、新たな機能として「毛穴の状態改善効果」があることを発表した。

まず同エキスの化粧品原料化については、「角栓のつまり」に関して角質と皮脂のそれぞれに対する「熟成ホップエキス含有化粧品原料」の作用について調査した。

その結果、精製水に比べて、開発した同原料は角質の主な成分であるケラチンが約3倍膨潤することを確認した。このことから、化粧品原料化した「熟成ホップエキス」の配合は、角質を柔らかくし、角栓が除かれやすくなることが期待されるとした（図1）。

次に、「熟成ホップエキス含有化粧品原料」の皮脂の酸化防止効果を確認するために、皮脂の構成成分の一つであるリノール酸に添加し、過酸化脂質の生成度を測定した。

何も添加しない場合（コントロール／control）と過酸化脂質生成度を比較した結果、「熟成ホップエキス含有化粧品原料」はリノール酸の過酸化脂質度を約1／14に抑制した。

この結果については、一般的な脂質の酸化防止剤であるジブチルヒドロキシトルエン（BHT）、ブチルヒドロキシアニソール（BHA）、α-トコフェロールなどと比較しても同等の酸化防止効果があると考えた（図2）。

今後は、同原料の毛穴に対する機能性を応用し、洗浄剤やスキンケア製品など幅広い製品へ生かす検討を行うとしている。