マンダム アルコール濃度最大70%配合のクリームの製剤化に成功
2021.09.1
編集部
株式会社マンダム(大阪市中央区/社長執行役員:西村 健)は8月30日、アルコール濃度最大70%まで配合を可能とするクリームの製剤化に成功したと発表した。
今後、この技術を基盤に、アルコール濃度や使用感を調整し、生活者ウォンツに合わせた製品開発に応用していく。
通常、クリーム製剤には水性成分と油性成分を均一に乳化する(混合する)ために界面活性剤を配合する。
しかし、界面活性剤はアルコールに溶解しやすいものが多いため、アルコールの配合量が増えると、乳化が困難になる傾向がある。また、クリーム製剤としての適切な硬さ、使用感などの調整に必要とされる増粘剤は、アルコールを増粘しにくいものが多く、求める硬さ、使用感を得ることが困難であった。
そこで同社は、百種類以上の界面活性剤について検討を重ねた。その結果、分子の大きさが異なる2種の界面活性剤(オクチルドデシルキシロシド、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30)の組み合わせが、乳化粒子の合一を防ぎ、安定な乳化状態を形成することを見出した(図A)。
また、特定のイオン性高分子増粘剤の中からアルコール高配合乳化時においても高い増粘効果を発揮する増粘剤((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー)を見つけ出した(図B)。
これらの界面活性剤と増粘剤を組み合わせることにより、アルコールを70%まで配合することが可能な安定した乳化を実現した。