世界のコンニューマーヘルス市場は、市場調査会社ユーロモニターインターナショナルのウェブ版のインサイト（10月18日）によれば、2022年は前年より米ドルで6％成長する見通しだが、インフレにより0.7%縮小するようだ。コロナ渦、消費者はeコマースを余儀なくされたが、今後もeコマースによるショッピング率は持続すると予測されている。消費者の健康への関心度がより高まる中、同社は、コンシューマーヘルス市場を牽引する5つのトレンドを検証する。

コンシューマーヘルスの世界市場を牽引する5つのトレンド
１、eコマースによるショッピング率の持続
eコマースによる売上高の水準は 2020 年以降堅調に推移しており、2019年の全消費者医療支出の13%から2022年には19%に上昇する見通し。OTC 医薬品のeコマース市場は2022年に世界の売上高の6%に達すると予想されている。2019年から2020年にかけて50%という驚異的な成長を遂げた後、業界は2020 年から2022年にかけてさらに24%の成長を記録した。新しいオンライン販売モデル（ソーシャルコマース、ライブストリーミング、処方薬のオンライン充填との統合、パーソナライズされた推奨事項など）が変革しているため、今後も急成長を維持する可能性が大きい。

２、メンタルヘルス向け商品の需要の高まり
パンデミックの最も明白な影響の一つは、消費者が自身のメンタルヘルスと過去数年間のストレスに対処する方法を模索していること。対処法を得るためデジタルメンタルアプリからライフスタイル指向などさまざまなソリューションの需要が急増している。また、メンタルヘルス向けの栄養補助食品の売上は、新型コロナウイルス感染症の発生以来伸び続けており、2021年には前年比10%増加し、2022年には19%増加とさらに成長している。

３、ホリスティックヘルスを商品化するための闘い
コンシューマーヘルス開発会社の中で、初期のパーソナライズされた栄養市場からヒントを得て、既製の製品をキュレーションし、サプリメント利用者にとってより理解しやすい商品にアレンジして製品販売している。これらの企業は、さまざまな懸念材料に対する解決策を求める消費者の需要に応えて、特にビタミンや栄養補助食品でさまざまなメリットを策定する動きが活発化している。

４、首尾一貫した女性の健康ソリューションの緊急性
女性の健康維持への関心が高まり、製品開発が活発化している中、消費者がこれらの製品に一貫してアクセスできるように規制緩和の動きが出ている。女性の一般的な健康ニーズに対するOTCソリューションの要求が高まるにつれて、一部の政府は、この要求を満たすために分類を切り替えるかどうかを検討し始めた。英国は、閉経後の女性のための膣錠剤形式のジーナ（エストラジオール半水和物）ホルモン補充療法に切り替えるノボノルディスクの2022年7 月の申請を承認し、この領域でリードした政策をとっている。

５、業界のダイベストメントの波は続く
コンシューマーヘルスの業界リーダーは、大規模な製薬事業から消費者部門を売却するための数年にわたる取引の真っ只中にいる。新たに設立されたコンシューマーヘルス会社は、大規模な製薬コングロマリットの下では不可能だった消費者のレンズを通して、一貫した事業体制を構築している。例えば、Glaxo Smith Kline社は、2022年7月に独立会社 Haleon Plcを設立し、業界をリードするコンシューマー ヘルス事業を収容した。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、2023年のどこかの時点で、消費者向けブランドをKenvueと呼ばれる新しい独立した会社に移管する計画。