2023年の中国美容トレンドーミンテル調査
2023.01.30
国際部
グローバル市場調査会社ミンテルは、18日、2023年の中国の美容トレンドを発表した。中国市場では、消費者の健康な肌への関心が高まり、また国内ブランドの進歩に消費者は注視しているようだ。同社は、今年1月11日から13日に東京で開催されたCosme Week 2023 に出席し、ミンテル APAC インサイト担当シニア バイス プレジデントのRuyi Xu氏を招待して中国の美容市場に関する最新の調査とトレンドについて紹介した。最新のトレンドとして、「新たな国潮(グオチャオ)*」、「健康な肌の実現を目指して」、「ローカルクリーンビューティーの台頭」の3項目が取り上げられた。
中国美容トレンド2023年
新たな 国潮(グオチャオ)
現在、中国の消費者は、効能、テクスチャー、成分などの面で国内ブランドが進歩していることに注目している。ミンテルのデータによると、中国の消費者の約半数(49%)が、国内の機能重視のフェイシャルスキンケアブランドを好んでいる。地元の成分や文化的要素の探求が進み、研究開発への投資も増えているため、国産のブランドは、デザインやパッケージングを超えた国産の新時代として多国籍企業と競争できる力を備えてきている。
健康な肌の実現を目指して
ミンテルのデータによると、中国人女性消費者の42%が自分の肌を「不健康」だと認識していることが明らかになった。中国の女性消費者の34%が敏感肌であると回答し、敏感肌用スキンケア製品ユーザーの48%が「肌の角質を修復する」ことを敏感肌用スキンケア製品の最も重要な項目と考えている。今後、肌のバリア修復は、角層ケアなど新たな切り口で開発する機会があり、重要な注力分野となる可能性が高い。さらに、健康な肌の追求を、頭皮やカラー化粧品など、より多くのサブカテゴリーに広げていくチャンスもある。
ローカルクリーンビューティーの台頭
中国では標準化はまだされていないが、消費者が安全性を求め、持続可能性についての情報や関心を深めていることから、クリーンビューティーのコンセプトは急速に拡大すると予測される。現在、クリーンビューティー・ブランドは、中国特有のニーズや資源をブランドコンセプトや製品デザインに取り入れ、中国の消費者にアピールしている。余計なものを加えない「フリーフロム処方」とエシカル訴求は、クリーンコスメティック製品の最も重要な側面であり、この2つを追求するブランドが主要カテゴリーで拡大傾向を示している。
*国潮(グオチャオ) とは、中国の若い消費者が、中国の伝統的な文化やスタイルと国内のブランドや製品との融合にますます関心を寄せていることを意味する全国的なトレンドのこと。