“ご褒美”としてのリップ製品購入の傾向

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2023.06.12

国際部

世界は、過去1年間、経済的課題とインフレ圧力を経験しており、消費者は予算の再考を余儀なくされているが、アメリカの化粧品市場で、自分への褒美として化粧品を購入する消費者像が浮上してきているようだ。グローバル情報会社Circana の2月のオムニバス調査結果によると、食費の高騰を抑えるために、米国の女性の半数以上が低価格の食料品店で買い物をしており、40% 以上がストアブランドまたはプライベートブランドの食品や飲料をより多く購入しているが、化粧品市場では、消費者は量販店チャネルから、より高価格帯の製品を扱うデパート、美容専門店、その他の高級アウトレットへとシフトさせている傾向が見られた。

2023年第 1 四半期 には、プレステージ メイクアップの販売数量シェアが前年同期と比べて 3 ポイント増加した。この増加は、必需品ではないものの、手頃な価格のプレステージビューティーの贅沢で自分自身を大切にしたいという消費者の欲求を示している可能性がある、などと同社ビューティーカテゴリーアナリスのナタリア・バンビザ氏は分析する。

この現象は 2022 年に現れ、2023 年も継続している。同社では、この「褒美」の姿勢を「口紅指数」と結びついており、口紅の売上が国の経済状態と反比例していることを明らかにしている。 口紅以外の化粧品もこの現象の一部である可能性があるが、リップ製品がこの基準を最もよく満たしているようだ。Circana のメイクアップ消費者レポートによると、口紅とリップグロスは他のどのメイクアップ製品よりも衝動買いされる可能性が高く、口紅とリップグロスの利用者の 40% 以上が、最近のリップ製品の購入は衝動的なものだったと回答している。

「ご褒美」という考え方は、リップ メイクアップの売上が大衆市場と高級チャネルでどのように推移しているかを比較すると、より明らかになる。2023年第 1 四半期に化粧品市場で最も急成長したメイクアップ分野はリップで製品で、なかでも大衆向けよりもプレステージ向けの方が 1.5 倍以上速く成長し、より高価なデザイナー ブランドはさらに売上を伸ばした。

気分を高揚させるものであれ、現実逃避の一種であれ、自己表現の手段であれ、美容製品は消費者の心の中で特別な場所を占めているようで、 消費者の精神的な健康に貢献することが、美容業界が不安定な時期にも回復した大きな理由と分析されている。

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