食事は飲み物とともに、ゆっくりと
2014.01.9
編集部
栄養学の専門誌「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」の2014年1月2日オンライン版に、食事の速度と肥満の関係を調査した研究が掲載された。
今回の研究では、正常体重の35名と肥満35名を対象者が管理下で2日間昼食を取ることで行われ、食事の速度の影響が体重差のある人でも同じかどうかを調査した。対象者は同じ内容の食事を、1日目はゆっくり取り、2日目は速く食べ、摂取した食事の量とエネルギー量を計測、満腹感を評価した。
その結果、正常体重の人は統計的有意にカロリー摂取量が減少していた。正常体重、肥満の人のどちらも、早く食べた場合より、ゆっくりした食べた場合の食事のエネルギー密度(重量に対するエネルギー量)は低く、その差は正常体重の人で大きかった。ゆっくりした食事ではまた、食事開始後60分での満腹感は大きかったことも報告された。
食品のエネルギー密度は、糖質・たんぱく質・脂質の含有量により決定される。糖質とたんぱく質は1グラムにつき約4kcal、脂質は約9kcalと換算され、食事の脂肪分が多いとエネルギー密度が高くなる。同じ内容の食事で食事のエネルギー密度が低いとは、食事中に水分を多く取っていることを示唆している。ゆっくりと、飲み物を飲みながら(もちろんカロリーの高いものは避けて)取る食事で空腹感を抑えることが期待できるかもしれない。