サティス製薬、サメ肝油を化粧品原料として開発中
2014.02.25
編集部
国内有数の化粧品原料取扱数を誇るサティス製薬(埼玉県吉川市、社長山崎智士氏)は、青森県の水産加工業者と漁協組合2社と連携してサメ肝油(液体=写真)を利用した化粧品原料の開発に取り組んでいる。経産省の補助事業に認定されたことから開発しているもので現在、サメ肝油の品質評価・安全性試験などに入っている。
サメ肝油を利用した化粧品原料の開発は、化粧品・石鹸の受託製造(OEM=相手先ブランド製造)を中心に白ビワ、米ぬか、温泉水など地域・地場産出の素材などから化粧品原料を開発しているサティス製薬と鮮魚の卸販売を中心にサメ肉加工、未利用部位を有効活用したサメ軟骨サプリメントの販売や肝油配合の食品開発などを行う青森・田向商店及び青森・三厩村(みんまやむら)漁業協同組合の3社が連携して取り組む農商工連携事業。
3社が連携体(連携事業体代表田向商店)を組んで行なうサメ肝油を利用した「化粧品原料の開発・販売事業計画」が2012年2月に経産省の新事業活動・農商工連携促進支援事業に係る補助事業「地域資源活用新事業展開支援事業」(経費の3分の2補助)に認定され現在、サティス製薬が水産加工業者、漁協からアブラツノザメ(東北以北で漁獲)の素材提供を受けて化粧品原料の開発に取り組んでいる。
サティス製薬は「サメの肝油を使った化粧品は、国内で製品化されていない。現在、肝油の酸化安定性や安全性などの試験を実施しているところで、化粧品原料として開発中」としている。
アブラツノザメの部位から抽出した肝油は、皮膚へ直接塗布することで、紫外線による肌老化を防止し、シミやしわの改善効果が確認されているなど化粧品原料として有望視されている。
サメ消費量の減少が続く中で3社が連携して取り組むアブラツノザメの未利用部位を活用した機能性素材の開発による高付加価値化の実現や新たな需要喚起、魚単価の向上に繋げるか、今後の事業展開が注目される。
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サティス製薬