今期決算 アイスタイル増収減益 フェヴリナHD業績不透明
2014.07.8
編集部
ベンチャー・中小企業などが株式を公開する新興市場として開設された東証マザーズ市場などに上場した化粧品及び化粧品関連企業の業績が注目されている。特に、化粧品の通販事業にウエイトを置く企業は、化粧品市場の成熟化に伴い、新規通販分野への参入ラッシュが相次いでおり価格破壊が同時進行するなど取り巻く環境は悪い。このため、新興市場に上場したとはいえ、業績が大幅に乱高下するなど事業の安定性に欠ける。今後、化粧品通販各社の企業間格差が一段と鮮明になるのは必至。
化粧品の口コミサイトを運営するアイスタイル(2012年3月マザーズ上場)の今期(2014年6月期)決算(連結)は、増収減益となる見込み。広告収入の減少や本社移転に伴う費用増、海外子会社の特別損失などが利益を圧迫する。
今期業績は、店舗事業で物販販売が計画以上の伸びとなることから売上高69億1400万円(前期64億1000万円)と増収を見込む。しかし、メディア事業が化粧品各社の広告出稿抑制で広告収益が計画を下回ることや店舗事業での新規サービス時期が遅れたこと。また、その他事業で、エステサロンなどの情報サイト「アイスポット」のサービス価格の変更による収益拡大が想定を下回る結果となること。さらに、子会社の特損計上などから営業利益は、2億4500万円(同7億3800万円)と大幅減益を予想。この結果、最終損益は、2億5400万円(同4億2900万円)と前期比黒字幅が縮小する見通し。同社は、今年5月に今期業績を下方修正していたが修正通りの業績に落ち着くものと見られる。
会社設立と同時に株式公開(2003年12月マザーズ上場)したフェヴリナホールディングス(HD)は、化粧品・健康食品の通販事業が不振で、今期(2014年9月期)業績見通しは、極めて不透明。
同社では、今期の業績について2014年9月期第2四半期に売上高14億3800万円から13億円に下方修正。また、最終損益を2億2000万円に黒字修正した。しかし、営業利益(前期5000万円の赤字)が不透明で、最終損益(同4億1100万円の純損失)が黒字に転換するか微妙。