変革するアメリカ医療保険会社の顧客サービス
2014.09.18
国際部
米ペンシルバニア州の保険会社Capital BlueCross(キャピタル・ブルー・クロス)は、顧客サービスの一環としてヘルス・ウェルネス店をペンシルバニア州ハリスバーグ地域で進行中のハンプデン・ショッピングモールに2015年春、開店すると、9月16日、発表した。同社は従来型のビジネスモデルから一歩進んで、地域住民への健康体験と高付加のコミュニティサービスを保険のプラン販売に加えて提供する戦略だ。同社は2012年に同様なウェルネス店を同州リーハイバレー郡のソーコンバレーに開設している。
キャピタル・ブルー・クロス社が推進するヘルス・ウェルネス店はフィットネスエリア、カフェ、キッズゾーンを完備する。販売員は訪問者に医療保険やその他の保険のレート説明および保険販売を行なうほか、訪問者や既存の保険加入者に健康への意識改革を促進する。
フィットネスエリアではヨガクラスの開催、ボディマス指数の測定、個人のウェルネスプランの作成などを提供する。カフェではサンドイッチ、サラダ、スープ、飲料など季節のメニューを有料販売するほか、無料Wi-Fiサービスを提供する。キッズゾーンでは子供は無料で健康に関連したゲームソフトを楽しむことができる。さらにはコミュニティイベントとして健康的な料理のデモンストレーションや栄養セミナーなど個人及び家族に健康的な生活習慣の改善を促していく方針だ。
保険会社が加入者の健康促進を重視するようになった背景には、アフォーダブル・ケア・アクト(ACA)、通称「オバマケア」に起因する一面がある。オバマケア施行以降、より多くのアメリカ国民が医療保険に加入できるようになった。保険会社は持病を抱えている人の保険加入を断ることはできなくなり、また医療費が巨額になったからといって加入している保険を打ち切ることができなくなった。
他州の保険会社では、スポーツジムに通う被保険者には保険料を少額下げるシステムを採用している企業もある。国民の30%以上が肥満というアメリカでは、健康であることはアメリカ国民ほかならず医療費を負担する保険会社にとって最重要課題なのであろうか?