医学トーク番組の「お勧め」は疑ってみるべし

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2014.12.26

国際部

「BMJ」誌は、世界五大医学誌のひとつにあげられる国際的医学ジャーナル。BMJとはBritish Medical Journal(英国医師雑誌)の略で、1800年代半ばの創刊という古い歴史を持つ。質の高い医学論文を掲載していることで知られるが、クリスマスの時期には、英国的なジョークで書かれた論文が掲載されるのが恒例となっている。

今年もクリスマス特集として12月17日に掲載された論文の中1つ「テレビの医学トーク番組で推奨されたことの質を評価する」をご紹介する。

全世界に毎日配信されている医学テレビトークショー「The Dr Oz Show」と「The Doctors」から、それぞれ40本を無作為に選び、番組中に推奨したすべての内容を同定・評価した。

「The Dr Oz Show」の推奨内容は、医学的な証拠があるもの46%、医学的な証拠により否定されたもの15%、医学的な証拠が見つからなかったものが39%あった。「The Doctors」の推奨内容は、医学的な証拠があるもの63%、医学的な証拠により否定されたもの14%、医学的な証拠が見つからなかったものが24%あった。全体では、160の推奨内容のうち、54%は症例研究などによる医学的な証拠があった。最も多かった推奨内容は「The Dr Oz Show」では食事のアドバイス(39%)、「The Doctors」では専門医への相談(18%)だった。番組独自の推奨に特別の利益があるとしていたのは、「The Dr Oz Show」で43%と「The Doctors」41%だった。

医学トーク番組の推奨は、特定の場合により利益があることや効果の大きさについての情報が不十分だった。推奨の約半数は医学的証拠ないか、それに反するものだった。潜在的な利益相反について述べたものは稀だった。視聴者は医学トーク番組の推奨に対しては懐疑的になるべきである、と研究者らはまとめている。

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