メープルシロップは抗生物質の使用量低減に役立つ?
2015.04.28
編集部
ケベック・メープル製品生産者協会(カナダ)はこのほど、カナダ・マギル大学が「メープルシロップの濃縮エキスが細菌に対する抗生物質の効力を高める」ことを明らかにしたと発表した。
同大学化学工学部のNathalie Tufenkji教授は、主にフェノール化合物からなるメープルシロップの濃縮抽出物を使用。北米のカエデの樹木から採取する樹液を煮詰めて作られるメープルシロップは、フェノール化合物を豊富に含んでいる。
同大学の研究者たちは、大腸菌やミラビリス変形菌(尿路感染症の一般的な原因菌)など、感染症を引き起こす特定の細菌株に対するメープルシロップエキスの効果を実験。同濃縮エキスは単体でもある程度、細菌と戦う力があるが、特に抗生物質と組み合わせて使うと高い効果を示した。
また、バイオフィルムとして知られる抵抗性を持つ細菌群を破壊する上で、メープルシロップエキスと抗生物質は相乗的な効果を発揮した。バイオフィルムは、カテーテル関連尿路感染症など治療の難しい感染症に良く見られるもの。
- 参考リンク
- ケベック・メープル製品生産者協会