肥満の人は食品への脳機能の反応が異なる

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2016.07.28

国際部

肥満の人とそうでない人の食品への反応への違いを、脳イメージング画像で比較した研究が7月22日、米テキサス大学附属のSouthwestern Medical Centerのニュースリリースで伝えられた。研究の詳細は2月19日「Obesity」オンライン版、また「Obesity」誌4月号に掲載されている。

研究には、やせ型(BMI25)と肥満(BMI35以上)のいずれかに属する、18~65歳の30人の女性が参加した。研究開始前の脳かん流は動脈スピンラベリング法で、食品に対する脳の応答は、血液酸素レベル依存的磁気共鳴イメージング法で測定した。主観的な満腹感や飢餓感は、画像測定の前後で報告された。測定は、標準的な食事のあと実施した。

その結果、空腹時における脳の灌流にはやせ型・肥満型に大きな違いはなかった。新皮質系、大脳辺縁系、中脳域が有意に活性化していた。いったん満腹になると、やせ型ではこれらエリアの活性化が大幅に減少したが、肥満型ではこのような減少は見られなかった。食事後、やせ型でのみ、食品の魅力度(appeal ratings of food)に減少が見られた。

空腹時の脳の反応には有意差はなかった。食後の脳の反応にはやせ型の女性で減少が見られたが、肥満型の女性では上昇したままだったと結論された。「この結果から、肥満の人が空腹感がないにも関わらず継続的にものを食べてしまうという現象を説明できる可能性がある」と研究者らは述べている。

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