大塚メディカルデバイス、整形、内視鏡分野で攻勢
2013.05.21
編集部
大塚ホールディングス(HD)の医療機器子会社大塚メディカルデバイス株式会社(東京都千代田区)は、整形と内視鏡分野の強化を図り東芝メディカルなど上位各社を猛迫する。
大塚メディカルデバイス(OMD)は、大塚製薬の医療機器事業部門を分離して2011年2月に大塚HDの子会社として独立した。大塚グループの中心的事業として成長させる重要な位置付けにある。
ここへきて脊髄や骨の固定・接合材料など整形分野や内視鏡分野を相次いで強化、国内の病院やクリニックを対象に販売攻勢をかけている。いずれも、インプラント分野で卓越した技を持つキスコ(神戸市)や伊エラ社などを買収して整形、内視鏡分野に参入したもの。
特に、エラ社は、大腸内視鏡システムで、高い技術を保有していることから総発行株式数の23.7%を取得。同時に、エラ社製内視鏡の日本国内での独占販売権を取得して現在、病院向けに攻勢をかけている。また、画像用撮像技術で高い技術を誇るパイオニアと超高感度カメラの技術を医療用内視鏡カメラに応用した技術開発を共同で進めており今後、同社が販売に乗り出す計画。
一連の動きは、整形分野や大腸など消化器関連分野を強化することで、国内やアジア市場での医療機器販売を優位に進め、年間3000億円を超す東芝メディカルやオリンパス、富士フイルムなどのトップグループを追随する狙い。
同社は、医療機器事業の戦略立案や管理業務が主体で、医療機器の研究開発、製造、販売は、実行部隊の株式会社ジムロ(群馬県高崎市、1979年11月設立)が行っている。1999年にリンパ球、単球、顆粒球の制御システム「アダカラム」を市場に投入、保険の適用を受けている。今後、アダカラムに続く大型商品が注目される。