原因不明の下痢や便秘にヨガの効果
2016.11.28
国際部
過敏性腸症候群に対するヨガの効果を明らかにした研究が、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」12月号に掲載された。過敏性腸症候群(IBS)は、検査では異常が無いにも関わらず、腹痛、下痢、便秘、ガスがでる、腹部膨満感などの症状が起こる病気。原因がわからないため、ストレスが疑われており、日本では軽症も含め1000万人の患者がいると推定されている。
今回の調査では、IBS患者の治療におけるヨガと通常ケアを比較した無作為化試験6件を対象に、系統的レビューによる定性分析を行った。
全部で273人の患者を含む6つの無作為化比較試験が定性分析に含められた。薬の投与または非投与に関わらず通常の治療に比べ、ヨガによる腸の症状、IBSの重症度および不安感の有意な低下が確認された。さらに、生活の質(QOL)、身体機能は無治療と比較して有意に改善されていた。6件のうち2件では、有害事象が発生していないことを示す安全性データが報告されていた。バイアスリスクは、Cochrane Collaborationの推奨事項に従って評価したが、全体としては明確ではなかった。
結果から、研究方法に大きな欠陥があることが示唆された。ヨガがIBS患者のための実行可能かつ安全な補助的治療である可能性が示されたため、今後は高品質の研究が求められる。