コーセー・ミルボンが提携、美容室向けスキンケア開発・販売へ

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2017.04.17

編集部

化粧品大手株式会社コーセー(東京都中央区)と業務用ヘアケア用品大手株式会社ミルボン(大阪府大阪市)の両社は、資本・業務提携(2017年1月)契約を交わした。両社は、今年6月に共同出資会社(合弁会社)を設立して美容室向けスキンケアなどの新ブランド化粧品を開発し、ミルボンと取引(卸販売)している国内約1200件を超える美容室「ミルボンサロン」や海外等で販売する。

両社の提携内容は、業務提携推進委員会を設置して
①美容室におけるスキンケア・メイク製品の共同開発及び国内外での販売
② その他製品・サービスの共同開発及び国内外での販売
③ グローバル美容人材の積極的育成と両社の持つマーケティング知見や市場開拓ノウハウの国内外での活用
④業務提携の実施及びその他長期的な提携に繋がるプラットフォームとして今年6月1日メドに合弁会社を設立する。

今度、両社が資本・業務提携契約を交わしたのは、「成熟しつつある国内化粧品市場において人口動態の影響による顧客減少や異業種からの新規参入などで競争が激変。両社の強みを持ち寄り、シナジー効果を発揮させ更なる攻めの経営戦略を打ち立て必要がある」と判断したことによる。
独自のブランドマーケティング等を強みとするコーセーは、1946 年の創業以来、化粧品を中心とする美の創造企業として君臨。その中で「1963年から40年間、仏ロレアルと業務提携してきたが近年は、販売チャネルの垣根がボーダレス化していると感じ、美容室での顧客との接点を戦略上、重要視。念願の美容室という新しい販売先の確保を狙っていた」こと。また、ミルボンは「コーセーの高級ブランド市場を活用することで、化粧品分野の強化が図れる」と判断、両社の思惑が一致して提携が実現した。

コーセーは、美容室という新たなチャネルが加わったことで、付加価値を付けて収益の向上に繋げる。同社は、2019年3月期までに売上高2770億円(2017年3月期見込2540億円)、営業利益410億円(同360億円)を目標に収益向上に取り組む。同時に、2019年3月期までに経営指標の売上高営業利益率と総資産事業利益率(ROA=会社の総合的収益力)15%以上、自己資本当期純利益(ROE=株主資本に対する純利益)を13%以上に目標を掲げ達成を目指す。
一方、ミルボンは、1960 年の創業以来、ヘアデザイナーを通じてヘア化粧品を提供し、女性の美しい生き方を応援したいという信念を基に事業を展開。毛髪に関する基礎研究及び製品開発への注力、最先端の美容トレンドなどを原動力に2017年12月期売上高327億円、営業利益55億円、当期純利益35億8千万円を見込んでいる。また、中期目標として2019年度までに連結売上高350億円(国内285億円、海外65億円)達成を目指す。

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