ハーバー研、販売チャネルに応じた広告戦略などで売上増に
2018.05.28
編集部
無添加主義を掲げた自然化粧品などを展開する株式会社ハーバー研究所(東京都千代田区)は28日、都内で決算説明会を開催し、2018年3月期通期の売上高が前期比10.8%増の178億8500万円、当期純利益が同31.7%増の15億9700万円となったと発表した。「新規客数は減ったものの、主要地域エリアでの販売チャネルに応じた広告戦略などにより売上増につながった」(取締役財務・経理部担当兼ディレクターの宮崎一成氏)。
販売ルート別売上高を見ると、通信販売は前期比1.2%増の87憶6300万円、百貨店卸売は同43.8%増の32憶600万円、その他卸売(カルチャーセンターや美容セミナー)は同7.5%増の45憶7300万円、直営店は同36.3%増の13憶3800万円。2018年3月末の直営店数は前期に比べ1店舗増えて25店舗だった。「百貨店卸売と直営店における売上の半分」(宮崎氏)はインバウンドの恩恵を受けた。中でも『リバイタライジングモイスチャーローション』『リバイタライジングモイスチャーセラム』については、インバウンドの来店が多い国内4店舗で販売しており、「自国に帰ってまた買ってもらう戦略」(同氏)。
品目別売上高を見ると、基礎化粧品は前期比15.7%増の125憶300万円、メイクアップは同1.0%増の12憶3000万円、トイレタリーは同0.3%増の5憶9700万円、その他(カルチャーセンターなど)は同11.2%減の8憶6900万円となった。その他の減収については「キャンペーン内容の変化」(宮崎氏)を要因に挙げた。
顧客動向を見ると、新規客は前期比1.6%減の25万1690人、稼働客は同13.9%増の35万594人。「新規客のうち20万人はWebから獲得した顧客で、今回減少したのはWebの顧客」(宮崎氏)と分析している。
クラブハーバー会員動向を見ると、ダイヤモンド会員やプラチナ会員など年間購入金額1万5000円以上の会員は前期比増となったものの、同1万5000円未満のスタンダード会員は減少した。「2~3回購入する継続率を徹底して向上していく戦略で、ファン化が進んだ」(常務取締役の藤井章夫氏)との認識を示した。
2018年度も引き続き、主要地域エリアでの販売チャネルに応じた広告戦略の最適化を推進。例えば、昨年度に実施したような、同時期に開催されるプロ野球の試合に同様の広告を出すといったことで相乗効果を狙う。また、販売チャネル間の相乗効果も狙い、店舗と通販を合わせたイベントを開催したりする。
さらに、海外事業については、アジア市場のさらなる深耕を図る。現状、「海外事業の売上高は12憶円。このうち8割はアジア向けで、Web通販売上は25%を占める」(宮崎氏)。現在は香港と台湾において、2商品を販売しているが、「中国市場に向けてライセンス取得を目指している。香港においてテストマーケティングを実施し、中国での販売手法などを検討している」(藤井氏)。
2019年3月期通期の売上高は前期比8.5%増の194憶円、当期純利益は同5.8%増の16憶9000万円を見込んでいる。
- 参考リンク
- 株式会社ハーバー研究所