【連載】大手化粧品会社の研究㊼ヤマサキの会社研究 ~洗い流さないトリートメント開発で存在感増す~(上)

2018.09.3

特集

編集部

株式会社ヤマサキ(広島県広島市、社長山崎宏忠氏、未公開)は、広島を地盤に化粧品、医薬部外品等の事業を行う。創業当時から主に海藻を由来とする原料を用いた化粧品・ヘアケア製品などを手掛けてきた。現在は、これらの化粧品・ヘアケア製品を「ラサーナ」というブランドに統一して事業展開している。表に、同社の会社概要を示す。

同社の名声を高めたのが、2008年に業界の先陣を切って開発した海藻のエキスを美容成分に「洗い流さない」という全く新しい発想のヘアトリートメント「海藻 ヘア エッセンス しっとり」を世に送り出したことが挙げられる。

ヘアトリートメント開発のきっかけは、仕事と家庭を両立させる多忙な女性が増え始め、毎日の簡単なヘアケアでサロンの効果が出るハイクオリティな商品を求める傾向が強かったことが要因。
同社は「そんな世の女性たちのニーズに応えたい、と考え抜いた結果、たどり着いたのが“洗い流さない〟という全く新しい発想のヘアトリートメントだった」という。
「昔から植物性の美髪オイルはあったが、仕上がりがベッタリと重くなりがちだった。そこで、オイルが持つ保湿効果と自然で美しい仕上がりの両方を叶える理想のトリートメントを作ろうと決心し開発に乗り出した」。

開発で一番こだわった点は「しっとりまとまる」こと。それに「さらさらで軽やか」という2つの仕上がりに関わる両立を実現することだった。通常、トリートメント効果を高めれば、髪が重くなってしまうため、軽い使用感の美容オイルが必修となる。そのため、オイルを追い求めてフランス北部、ブルターニュ半島へ向かい、そこでアミノ酸やミネラルを多く含み、保湿作用の高い海藻のエキスに出合い、これらの美髪成分を最適な比率で配合することで “しっとり”と“さらさら”の2つの効果を発揮することが実現。

開発期間に約3年もの月日を要したが、その甲斐あって発売直後から「毛先がしっとりまとまるのに重くない!」「髪質まで変わった」とユーザーの反応は好評だった。

「日本初の洗い流さないトリートメント・海藻ヘアエッセンス」が誕生して今年で20年を迎えた。
今では、美髪処方や配合成分を取り入れながら、進化を続けており一段と同社の存在感を増している。

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