琉球大学発ベンチャーで再生医療、化粧品事業等を行う株式会社グランセル（沖縄県西原町、琉大地域創生総合研究棟内）は、幹細胞コスメ「コスメアカデミア」を開発し、今年4月から通販市場に限定して本格販売を始めた。

原料の幹細胞培養液は、脂肪組織由来幹細胞から特殊な方法で採取したもの。この幹細胞培養液使用のコスメアカデミア（写真）は、化粧水（120ml、12,000円）、美容液（30ml、24,000円）、マスク（5枚入り、9,000円）の3商品を実用化した。
同社は、幹細胞コスメ3商品の特徴について
①コスメアカデミア ローションは、洗顔で十分に汚れを落とした後、最も「脂肪幹細胞のエキス」が効果を発揮できるように「脂肪幹細胞のエキス」を角質層に浸透させるベースを作る
②コスメアカデミア エッセンスは、エッセンスを体温で温め「脂肪幹細胞のエキス」を角質層に浸透させることで、もっちり、ふっくら肌を作る
③コスメアカデミア セラムマスクは、時間をかけて「脂肪幹細胞のエキス」を角質層に浸透させるなどとしている。

ちなみに脂肪肝細胞は、自己複製能力と多分化能力の2つの特徴的な性質を持っている。自己複製能力とは、通常、細胞は寿命をむかえると細胞死をおこして消滅する。しかし、幹細胞は、常に自分自身を複製してコピーを残しながら一部は、他のさまざまな細胞に変化していく。同じ能力を持った細胞に分裂してコピーを残すことにより、幹細胞は消滅することなく存在し続ける。

多分化能力は、幹細胞が皮膚や血管、神経、筋肉など様々な多種類の細胞に変化することを指す。
このように培養液は、細胞活性の促進効果がある成長因子を豊富に含んでおり、化粧品の原料にすることで「若々しい肌を保つ効果が期待できる」という。

同社は、今年の春から幹細胞コスメ「コスメアカデミア」3商品を20歳代から30歳代の女性層にターゲットを当て通販市場で販売を開始。販売動向を見ながら戦略を構築する。
幹細胞を活用して生産された化粧品は、現在も流通しているが原料は海外から輸入しているケースが多い。
グランセルは、大学施設で製造した国内産の原料にこだわり、再生医療や美容医療、細胞工学を専門とする医師や研究者が開発に携わることで、高品質の商品を生み出して他商品との差別化を図る。今後も琉球大学と共同研究を行い、幹細胞研究の発展を図る計画。

グランセルは、2017年２月に琉球大学で再生医療に従事する医師・研究者らを中心に設立した。現在の事業は、再生医療、化粧品、ライフサイエンスの3事業を中心に展開。