【連載】大手化粧品会社の研究(64)ふじの会社研究 ~先行きの事業ビジョン不透明~(下)

2018.12.11

特集

編集部

ふじは、販促の主要商品としてBiエッセンス、SSシリーズ、ホワイトシリーズ、ボディクリームの4種類を前面に押し出して販売展開している。

Biエッセンスは、 保水力の高いヒアルロン酸を主体としたエジングケアを目的とした美容液。相乗的に働く保湿剤としてコメヌカスフィンゴ糖脂質、β-グルカン、水溶性コラーゲン、シラカンバ樹液などを配合している。
Biエッセンスの特徴につい同社は「ヒアルロン酸に由来するトロミがあり、のびが良くスッと肌になじんでうるおいとみずみずしさが持続する」と説く。

ロングセラー商品のSSシリーズ(化粧水、乳液、クリーム等=写真)は、肌の保湿に力を入れた商品でレイアブランドの中で皮膚を柔らかにする「エモリエント効果」が特徴。
同シリーズの中で化粧水は、角質層に含まれる天然保湿因子のひとつで保湿成分「PCA-Na」を配合、潤いのある肌に整える。また、乳液は、角質層の水分を保つため、セラミドを3種類配合している。

美白を目的とした薬用化粧品「ホワイトニングローション」(ローションとクリーム等、医薬部外品)は、じっくり効果と速やかに効果を発揮する2タイプのビタミンC誘導体を配合。両方をセットで使うことを狙って商品化した。

ボディクリームは「シアの木」の種子から採れる保湿力の高い植物性油脂「シアバター」やヒマワリ種子油 、オリーブ油、ホホバの種子から取れる液体ワックス「ホホバ種子油 」など保湿効果の高い4つの植物性オイルを配合している。いずれの商品も通信販売と販売会社を介して顧客向けに販売している。

同社は、操業して今年で満47年を迎えた。3年後の2021年に創立50年に向けた経営の羅針盤を描くことが必要だ。
今後、一段と化粧品事業を成長軌道に乗せていくためには、新商品の開発や販売チャネルの拡大が求められる。
同社が得意とする環境にやさしい商品開発や現在、全国に18社ある販売会社と一体となった販売戦略の構築、目標の売り上げ数値などについて具体的な構図を描くことが多くのステークホルダーからの賛同を得るためにも重要だ。
2018年12月現時点で、先行きの姿は、何も見えない。

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