【連載】遺伝子検査ビジネスに化粧品会社参入遺伝子検査サービスに化粧品会社参入 ~ファンケル子会社がサービス推進、アンファーAGA検査キット販売~

2019.02.20

特集

編集部

ファンケルは、子会社の「ファンケルヘルスサイエンス」が遺伝子検査事業を行っている。同社は、2014年11月に50歳以上の中高年層をターゲットに生活習慣病のリスクを遺伝子検査で判定し、罹患予防に向けた専用サプリメントや生活改善指導を提供するサービス「グッドエイジングプログラム」を始めた。
同プログラムは、利用者が採取した口腔内の粘膜を基に、約300種類の遺伝子を解析。解析結果から「肥満」、「インスリン抵抗性」(インスリンが働きにくくなった状態)、「体内老化」(酸化・糖化)という3つの基本項目を判定する。また、3つの基本項目に加えて「2型糖尿病発症リスク」など生活習慣にかかわるリスクを手軽に知ることができる単品メニュー6種類と、これらを総合的に検査する「セットメニュー」3種類を用意している。
同社は、2017年度をめどに10万人を超える利用者を獲得する目標を立てる一方、数十億円規模の事業に育てていく計画。

オリジナルのエイジングケア商品を展開するアンファーは、長年の遺伝子研究と医療機関の臨床データを基に作った「スカルプD ヘアメディカルAGA関連遺伝子検査キット」を2015年7月より販売した。
同社の遺伝子検査キット」は、AGA (男性型脱毛症)の発症の傾向と薬剤の感受性を解析する。これにより遺伝子多型を知ることで、発症する病気を未然に防ぐ予防医学と日常に取り込むべきエイジングケア情報を知ることができるメリットがある。
同社は、2000年初頭からAGAの遺伝子研究を開始。当時は、日本国内でアンドロゲンレセプター遺伝子とAGAの関係性を調査した研究は行われていなかった。そこで、同社を含む研究機関は、日本人のAGA患者約1200人を対象にしたAR(アンドロゲレンレセプター)遺伝子の解析結果を初めて報告した。
その中で、AR遺伝子内の特定の場所にある塩基配列のリピート数を測定し、AGA治療薬の感受性の傾向を示した。現在では、様々な臨床現場でこの研究を基にAGA治療薬の感受性検査が行われている。

こうした医療機関の臨床検査のデータをもとに同社は、オリジナルの検査を誰でも簡便に受けられる遺伝子検査キットを開発し、遺伝子検査分野に参入した。
検査キットの販売は、ウエブ、コールセンター、アンファーストア等で1万6200円(税込)で販売している。

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