【連載】大手化粧品会社の研究(82)山田養蜂場系列、ロゼットの会社研究 ~ロゼットのM&A、小売りと通販の相乗効果を狙う~(上)

2019.03.14

特集

編集部

ロゼット株式会社(東京都品川区)は、山田養蜂場のグループ企業。国内初のクリーム状洗顔料を開発し販売(1928年)したことで知られる。1934年には「株式会社レオン商会」を設立し、クリーム状の洗顔料のパイオニアとして事業を開始した。1951年に昭光製薬株式会社を設立し「ロゼットパスタ」の商品名で再度、クリーム状洗顔料を通販限定で販売した。しかし、2006年には、スキンケアの拡販に取り組む山田養蜂場がM&Aで資本参加しロゼットを傘下に収めた。

山田養蜂場がロゼットを傘下に収めたのは、小売販売と通販との相乗効果を発揮するのが狙い。
山田養蜂場は、自社開発のスキンケア化粧品を直営ショップや量販店、ドラッグストア等で卸販売中心に展開。
これに対してロゼットは、通販に特化した販売チャネルで事業展開してきた。中でも、クリーム状の化粧品や乳液商品などが通販市場で認知され、キメ細かなパウダーを練り込み、豊かな泡立ちと洗い上がりが特長の洗顔ブランドは、ロングセラー商品として人気を誇っていた。
山田養蜂場は、ロゼットが売れ行きの良い魅力ある商品を持っていたこともM&Aに繋がった。

ここへきてロゼットは、
①広告・販売企画、新聞等への「新規顧客の獲得」を目的としたクリエイティブ制作、会員へのDM制作や販促物の企画制作、ターゲット動向の分析、コミュニケーター(電話対応)、WEBショップの運営など通信販売業務の強化
②国内の問屋、量販店、小売店への営業活動に加えて店舗の巡回や商品の陳列活動も展開
③海外輸出やOEM商品の受注拡大に向けた営業活動などに取りくんでいる。

こうした一連の強化策は、収益の向上を意図したもの。だが、ロゼットの化粧品通販事業がどの程度、相乗効果を発揮して山田養蜂場の収益に貢献するか、不透明だ。

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