【連載】化粧特許と知的財産権③MTG、業績好調、美容ローラー模倣品流入、知財権脅かされる(上)

2019.05.22

特集

編集部

株式会社MTG(愛知県名古屋市、東証マザーズ上場)は、クリエイション・テクノロジー・ブランディング・マーケティングの4つの軸を融合させ、革新的なブランドを創出する「ブランド開発カンパニー」。特に、「美容と健康」をスローガンに美容機器、化粧品、フィットネス機器等を製造販売するメーカーである。

1996年1月に設立し、2009年2月に美容ローラー「リファ」(写真)を開発して化粧品製造販売事業許可を取得、化粧分野に本格参入した。
現在の事業内容は、美容機器の企画開発・製造、化粧品・医薬部外品の企画開発・製造、フィットネス機器の企画開発・製造など。また、グループ企業は、株式会社MTGプロフェッショナル、株式会社MTG ベンチャーなど16社を数える。2018年9月には、東証マザーズに上場した。
大学との産官学の共同研究や他企業との共同開発に取り組み、BEAUTY・WELLNESSの領域において事業を強化している。

代表ブランドとして新たな美容価値を追求し続けるオムニビューティーブランド「リファ」、マドンナがプロデュースする究極のスキンケアブランド「MDNA SKIN」、クリスティアーノ・ロナウド選手と共同開発したトレーニング・ギア「SIXPAD」、浅田真央さんをブランドパートナーに迎えたウォーターサーバーブランド「キララ」などがある。

化粧品への参入は、主力商品で美容ローラーの「リファ」を2009年2月に開発し市場に投入した。以来、現在では、リファブランドに加えてMDNA SKINブランド、SIXPADブランド及びStyleブランドの4ブランドを百貨店20店舗、免税店4店舗、直営専門店10店舗の計34店舗(2019年9月期)をオープンし、同社商品のブランド価値を直接、顧客に伝えるなど認知度の向上を図っている。
主力商品の「リファ」シリーズは、販売開始以来6年半でシリーズ累計400万本を売り上げ、美容ローラーの新たなカテゴリーを築いた。また、同商品は、グラミー賞のギフトラウンジにおいて6年連続で公式採用されるなど世界的に認知されている。

業績(連結ベース)は、2018年9月期売上高604億6500万円、2019年9月期売上高700億円を見込む。が、下方修正した。2018年9月期におけるセグメント別売上高は、ECサイトを通じたグローバル事業が売上高210億2700万円、量販店運営事業者への卸売り販売及びカタログ販売等のリテールマーケティング事業が売上高121億3200万円、美容・エステサロン事業者への卸売り販売を行うプロフェッショナル事業が62億9600万円となっている。
しかし、主力商品の美容ローラーを中心に海外からの模倣品攻勢に直面して知的財産権が脅かされるなど苦境に立たされている。

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