化粧品ECの現状と課題⑧化粧品ECの現状と課題 ~ニッピコラーゲン、ECサイト「エビステ―ム」導入でLTV実現~

2019.12.20

特集

編集部

株式会社ニッピ(東京都足立区)の化粧品関連事業は、事業部内カンパニーの株式会社ニッピコラーゲン化粧品(東京都足立区)が担当している。ニッピコラーゲン化粧品の2019年3月期における化粧品関連事業売上高は、ウェブ経由での新規顧客の獲得及び販促等に注力した結果、前期比10%増の約44億円にのぼる見込み。売上高に占めるECの売り上げ比率は、約50%に達すると見込まれている。引き続き、顧客ニーズに対応した新商品開発に力を入れ、オーダー率、継続率の向上を図る計画。

同社が導入しているECサイトは「エビステ-ム」と呼ぶクラウド型プラットフォーム。同ECサイトを導入したのは、効率のよい広告媒体に出稿して新規の顧客を獲得すること。また、新規の顧客をECサイトに誘導して商品を購入してもらうことで顧客生涯価値「LTV」(Life Time Value)を高くすることを目的に導入した。

LTVは、顧客が一定期間内にその企業の商品やサービスを購入した金額の合計のことで、顧客管理「CRM」の重要な指標となっているもの。実際は、顧客ライフサイクルの最初から最後までではなく「特定期間」(取引期間)を指す。

企業にとって「どのくらいの期間で投資したコストを回収できるか」という、一定期間内に利益を創出することを狙う。
成長期の市場では、新規顧客の獲得で利益を拡大するための施策が重視される。しかし、成熟期の市場においては、新規顧客の獲得が難しいため、リピーターを増やして顧客1人1人の売上げを増やすことが重視される。

EC事業の役割について同社は「効率のよい広告媒体に出稿して新規の顧客を獲得すること。また、新規の顧客をECサイトに誘導して商品を購入いただくこと」と説く。特に、ECサイトをリニューアル化することで「商品を試している顧客には、商品の購入を促す一方、必要に応じてその都度、購入している顧客には、定期購入へ誘導する」といったように、できるだけLTVを高くすることを大きな役割としている。

同社がエビステームを採用・導入した決め手は、SaaSシステムの柔軟性や使いたいもの使いたい分だけ使えるといったSaaSの特徴に加えて、エビステーム導入の実績や運用コスト面で優位性があったことなどが採用のきめてになった。

SaaS(Software as a Serviceの略語)システムは、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたアプリケーションソフト。 一般的に、インターネット経由で必要な機能を利用する仕組みを指す。
同社は、エビステームについて基幹システムとの連携をはじめ高齢者でもウエブを使って購入できるようにするため、定期的に商品を届ける「定期販売」の導入、商品一覧から直接カートに入れるクイック注文などを実現した。引き続き、ユーザービリティの向上を図ったシステムへ改良を加えていく方針。

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