【連載】この中小化粧品会社に注目⑭ネオーラMB研究所(上)~ヘアスタイル提案支援アプリ実用化~

2020.10.1

特集

編集部

宮城県仙台市の化粧品製造販売会社、株式会社ネオーラMB研究所(2015年10月設立)は、岩手大学と共同で、かお認証技術(センシング技術)を活用したヘアスタイル提案支援アプリ「ビューティ・エキスパ-トシステム」を開発して美容室への啓発と販促に乗り出している。

同システムは、文部科学省所管の独立法人「科学技術振興機構」(JST)が推進する東日本大震災復興促進プログラム「A―STEP」(ハイリスク挑戦タイプ)に基づいて認定された研究開発テーマ。
「A―STEP」は、震災地域の企業ニーズを発掘し、大学が保有する技術シーズとマッチングすることで、産学共同研究を支援し地域振興に繋げるもの。

ヘアスタイル提案支援アプリ「ビューティ・エキスパ-トシステム」は、iPadのフロントカメラで顔を撮影し、いくつかの質問に答えると、アプリが自動で最適な髪型を提案する。
開発したネオーラMB研究所は、美容室に対して化粧品の新規開発の提案と合わせて美容師が最適な髪型を提案出来るようにコンサルティング活動を行ってきた。

同社がコンサル過程で見出したのが「美容黄金比」という数値に基づく理論。「美容黄金比」は同社によると「人が整っていると感じる顔と髪型のバランスは一定程度決まっている。そこで、その人の輪郭や目、鼻、口のバランスを測定して数値化すると、その人に最も似合う髪方を自動で判別して髪型を提案できる」という。

このアプリの開発は、岩手大学が保有する画像認識技術を使ってiPadの写真から顔を認識するとともに「美容黄金比」で目、鼻、口のバランスを数値化して「美容黄金比」を自動で当てはめることで、髪型を提案することを2年間の研究の末に実現した。
このアプリは、美容師が客に似合う髪型を提案するときの手助けになるよう、美容院への導入を図る。また、美容専門学校では「髪型を客に提案する技術については教育が不十分」なことから、教育現場での活用も検討している。

現在、ネオーラMB研究所は、岩手県内の美容室「花耶」と提携して実証実験を行っているほか、美容師が同アプリを理解し、顧客に提案できるように同アプリの使い方セミナーを開いて普及・啓蒙に乗り出している。
美容室でのアプリ導入ができる担当者が育った段階で今後、全国の美容室へ販売攻勢をかけていく方針。

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