【連載】この中小化粧品会社に注目㉗ノイン(上)~商社系VC等が出資、事業資金を調達~

2020.11.26

特集

編集部

化粧品に特化したEⅭ(電子商取引)プラットフォームやウェブメディア「ノインテレビ」を運営・展開する化粧品ネットベンチャーの「ノイン株式会社」(東京都渋谷区)が事業資金の調達を活発化させている。会社設立(2016年11月)してわずか4年の新興ベンチャー企業に商社系・金融系ベンチャーキャピタル(VⅭ)などがこぞって出資しているもの。
ベンチャーキャピタルは、株式市場の株価上昇で儲けた余剰資金をベンチャー投資に振り向けており、引き続き化粧品ベンチャーへの投資意欲は強い。

ノインが第三者割当増資で資金を調達したのは、2019年5月に「リード・キャピタル・マネージメント株式会社」(東京都港区)、「STRIVE株式会社」(東京都港区)、「500 Startups Japan」(東京都千代田区)、「みずほキャピタル株式会社」(東京都千代田区)、「株式会社DK Gate」(東京都渋谷区)、「AGキャピタル株式会社」(東京都港区)などが引受先となり総額8憶円を調達した。出資比率は非公開。

2020年4月には、商社系の丸紅ベンチャーズ株式会社(東京都千代田区)と伊藤忠商事株式会社(東京都港区)が出資した。出資額は非公開。
丸紅ベンチャーズは、丸紅のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として2019年6月に設立した。
以来、既存の枠組みを超えるイノベーションの促進と新事業創出を目的にアーリーステージのスタートアップ企業を中心に国内外で投資活動を行なっている。
同社は、ノインへの出資を機会にノインの事業拡大をサポートし、オンラインとオフラインを融合させた新しい化粧品の購入体験を通じたイノベーションの創出に取り組んでいく方針。

丸紅ベンチャーズと肩を並べるように伊藤忠商事も第三者割当増資に呼応して出資した。
出資の狙いは、化粧品に特化したECアプリを展開する「ノイン」と手を組み、日本未上陸ブランドの展開や既存ブランドのライセンスビジネスの拡大を目指す方針。特に、伊藤忠商事は、化粧品事業の拡大を進めており、昨年10月からは、同社が日本市場における独占輸入販売権を取得した英国のライフスタイルブランド「キャス キッドソン」のコスメを展開し、コスメ事業に本格参入した。また、同社は、2018~20年の中期経営計画で、ブランドビジネスにおけるEC事業の拡大と新たな流通チャネルへの参入を目指すなど化粧品ビジネスへの本格参入を視野に入れている。

一方、ノインは、伊藤忠商事のネットワークを活用して国内外の百貨店ブランドの拡充やブランドビジネスのノウハウを活用するほか、ノインが保有するマーケティング―タを融合することでブランドビジネスに弾みをつける。

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