【連載】この中小化粧品会社に注目㊴アイエフラッシュ(下)~専業主婦から一大発起し独立開業~
2021.02.16
編集部
我が国において女性が起業を興して独立開業(創業)する動きは、10年前と比べて開業件数が約3倍程度増えるなど隔世の感じがある。しかし、女性に限定した化粧・美容関連の起業件数は、年間通じて散見される程度で、依然として盛り上がりに欠ける状況にある。
そうした中で、アイエフラッシュの南社長は「女性を応援したい」をモットーに一大発起し、24歳の時に娘さんを抱えながら専業主婦として自宅に小さなサロンをオープンさせた事をきっかけに起業をスタートした。
「美容業界のことは、神田外語大学時代に知人から少し教えてもらっていたので、会社員の経験もない専業主婦でしたが、都心のスクールで学んだ知識を生かしてホームサロンをスタートさせた」と説く。
最初の数年は、育児、家事、開業の3つをこなさなければならず毎日が追われる日々となった。しかし、起業の場合「仕事の成果が売上となって現れてくる。自分の頑張りに対する評価が公正でとてもシンプルな点は、起業の魅力でもあり、やりがいに繋がった」として次々にまつげサロン直営店舗の開設に踏み切り現在では地元密着型サロンの一大橋頭保を確立するまでになった。
同社は、2021年1月で創業20年を迎えた。これまでの独立開業を振り返って南社長は「起業や開業は、誰にもチャンスがある。これまでの経験からビジネスにおいて学歴や性別、社会経験は関係ない。事業の内容を選ばなければ多額の資本がなくても起業はできる。大切なことは、経営に関わる全ての原則、原理を理解し思い切って挑戦すること。どんな場合でも、失敗はつきもの。その失敗を次のステップに繋げる力こそが経営するときに一番大切なことだと思う」と自信をみなぎらせる。今後、まつげサロンの直営店舗だけでなくフランチャイズ化を進めグループの強靭化を図る計画。
企業としての功績のみならず南社長個人が取得した専門資格も多い。事業に取り組む忙しい中で、これまで取得した主な個人資格は、産業カウンセラー、ヘッドスパ・クリームバスインドネシア政府認定資格、さいたま市男女共同参画推進協会委員などバラエティに富む。
ここへきて同社は、コロナ禍の影響でサロンの休業に追い込まれるなど取り巻く環境は悪い。だが、荒波を乗り越えて変貌するイノベーションの潮流に乗る新しい寵児としての期待が一段と高い。