【連載】この中小化粧品会社に注目(53)シーエスラボ(上)~自社・OEM製品全てに実証試験し公表~

2021.04.22

特集

編集部

化粧品のOEMメーカー、株式会社シーエスラボ(東京都豊島区、設立2004年7月)は、自社開発化粧品や受託開発化粧品全てについて科学的根拠に基づく有効性試験(エビデンス)を実施するとともにコンク乳化(高圧乳化)という独自技術を駆使してOEM 提供するなど他社と差別化を図っている。また、工場内に託児所を開設して女性社員の働く環境を整えていることも特徴の一つ。

同社は、基礎化粧品や頭髪用化粧品等の一般商品、医薬部外品ならびに業務用商品の企画・開発及び受託製造(OEM )を主体とした事業を展開。2020年9月には、スキンラボルームを併設し、従来比生産能力を3倍に引き上げた館林新工場(写真・工場内部)を竣工させた。

スキンラボルームは、化粧品の有用性と安全性を実証する拠点。多種多様な化粧品が肌にどんな影響(効果効能)があるのか、を客観的に試験し、確認をする心臓部。
OEM 先や消費者等に対し、ここで実証された有用性や安全性を提示することで、製品の品質を担保し、化粧品を安心して使用してもらうための信頼性、品質保証の重要な役割を担っている。

同社は、各種試験メニューを取り揃えており、OEM個客の要望に合せた試験デザインで、試験スケジュールから結果報告までをトータルでサポートしている。また、同社処方設計の化粧品については、試験項目等を限定することで、有用性試験を実施することが出来るトライアルメニューも各種取り揃えている。

化粧品の有効性試験と対ユーザーへのデータ提供は、業界でも珍しいケースでOEMメーカーのモデルとなっている。
同社の独自技術として注目されるのがコンク乳化技術の開発。コンク乳化とは、少量の水と油で「濃く乳化」すること。

手順としては、半量の水に油を加えて乳化した後、残りの水に乳化したものを加える。少量の材料で濃く乳化させるため、通常の乳化よりも微細に混ぜ合わせ、浸透性を高めることが可能となる。

コンク乳液技術に微粒子化技術を組み合わせて製造した化粧品は
⓵粒子が細かく均一にした浸透性の高いローションを実現
②オイルを高配合した牛乳のような濃厚な高保湿ミスト・ヘアミストが可能
③高級クリームのような濃厚なリッチクリームを実現
④分散力を高め、界面活性剤を減らした乳液が可能 など
化粧品づく積極的に採用して新たなテクスチャーの開発に繋げている。

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