【連載】この中小化粧品会社に注目(60)タカミ(上)~仏ロレアルが買収し傘下に収める~
2021.05.24
編集部
ドクターコスメの中堅メーカー、株式会社タカミ(東京都中央区)が世界最大の化粧品会社仏ロレアルと株式譲渡契約を締結し、ロレアルグループの傘下にはいった。買収額は、非公表。
ロレアルの日本法人日本ロレアル株式会社(東京都新宿区)を通じてタカミの親会社であるブランドリフトの全株式を譲受することで合意(2020年12月)し、2021年2月に株式譲渡手続きを正式に完了した。これによりタカミは、ロレアルのリュクス事業本部のブランドに加わりながらロレアルグループの一員として活動することになった。
ロレアルのリュクス事業本部は、ユニークな製品・体験をつくりだすことで、消費者に最高の製品とブランド体験を届けることを使命としている。26のブランドで構成されており、うち17のブランドは、ランコム、イヴ・サンローラン、ジョルジオ アルマーニなど大型グローバル・ブランドで高い収益性を誇示している。
株式譲渡後の「タカミ」については、ブラン ドや製品について現状のまま維持することをロレアルと確認。また、タカミ代表の岡村雄嗣氏は、引き続き、タカミの代表取締役兼最高執行責任者として経営を舵取りしていく。さらに、タカギは、ロレアルとの協業を通じて開発力と組織力を強化し、日本での売上拡大や世界におけるジャパンビューティのプレゼンス向上を実現すべくより一層の事業成長を目指す。
一方、ロレアルにとってタカミを傘下に収めたことで、タカミのブランドがポートフォリオに追加されたことにより、ロレアルグループの最重要ミッションである「世界をつき動かすような美しさの創造の実現に貢献する」との期待感が大きい。
ロレアルは、今度のブランドリフトとの株式譲渡契約と合わせてタカミクリニックとのコラボレーション契約も行った。
タカミは、1999年12月に法人を設立して以降、これまで東京・表参道の美容皮膚科タカミクリニックの創始者で医師(院長)の高見洋氏が所有するスキンケアブランド「タカミ」をライセンス契約に基づいて製品を企画開発・販売してきた。
ロレアルは、ブランドリフトの買収に合わせて高見医師とのブランドライセンス契約についても長期間にわたり契約を行った。