【連載】この中小化粧品会社に注目(64)シロ(上)~業績好調に推移、国内出店計画目標達成へ~

2021.06.10

特集

編集部

自然由来のコスメを製造・販売する「株式会社シロ」(東京都港区、社長 今井浩恵氏)は、北海道砂川市で創業(1989年10月)し、観光土産品の製造・販売や大手量販店のOEM化粧品製造を行なっていた「ローレル」を2015年に今井代表が経営を引き継ぎ現法人名に改称した。以来、「自分たちが毎日使いたいものをつくる」というコンセプトでスキンケアやフレグランスを中軸に商品化を図り現在では、コスメ事業を中軸に食事業、カフェ事業を手掛けるなど急成長している。

同社が明らかにしている2020年6月期の食事業、カフェ事業を含むグループ全体の総売上高は、約88憶円(見込み)、グループの社員数約320名(2020年2月現在)に上る。資本金は1憶円。総売上高88憶円に占めるコスメの売上比率(見込み)は、約9割程度と見込まれているがグループ全体の企業規模からみて中小企業の域を脱し中堅企業に属する位置にある。表にシロの業績推移を示す。

同社がこれまで商品化し、現在、市場に投入している主なスキンケアやフレグランス、ボディケア、へアケア等の総アイテム数は、2019年秋にロゴやボトルデザインの刷新と12種の新しい香水のリリースを含めて約210品目に上る。

これらのシロブランドコスメ(写真)には、生産者の顔がみえる自然由来の素材を配合している。
例えば、こめの酒粕を化粧水に配合。また、亜麻をネイルに配合。ジンジャーをリップバターに配合。さらに、美しい花の香りをフレグランスに配合するなどして自然由来の素材にこだわったコスメティックブランドとして国内、海外の顧客に提供・販売している。

同社は、スキンケアやフレグランスなどに自然由来の素材を配合して商品化したと同様、食品や加工品を取り扱う「シロライフ」、素材・食材のすばらしさが味わえる「シロカフェ」、エステサロンでシロブランドコスメを体験できる「シロビューティ」の業態も展開し、収益の向上に繋げている。

国内でのコスメ販売は、直営店と通販主体に販売。2021年5月現在で国内の直営店は、「イセタンミラー」(2018年3月オープン)など31店舗に上る。
当面、国内店舗は、最大で33店舗を一応の目安としていたことから勘案してほぼ目標に達する状況にある。

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