【連載】この中小化粧品会社に注目(65)パス(上)~マードゥレクス、ジヴァスタジオ2社を社を買収~

2021.06.21

特集

編集部

通信販売事業を行うパス株式会社(2007年3月東証二部上場)は、2015年7月に化粧品メーカー「マードゥレクス」とテレビ通販企業への商品卸やOEM企画等の事業を展開していた「ジヴァスタジオ」の2社をセールスプロモーション活動の企画・制作・運営を行うジークスから株式を譲受(買収)し、子会社化した。
買収当時のマードゥレクス売上高は、22億6000万円(2015年4月期)。ジヴァスタジオの2015年4月期売上高は、19億4000万円。また、マードゥレクスは、化粧品・医薬部外品の製造販売業許可を2006年2月に取得している。

パスが2社の株式を取得した株式数は、普通株合わせて51%、取得価額が2社合わせて約7億円に上る。パスが2社を買収したのは、通信販売事業とメディア事業を融合させた新分野の開拓が狙い。

パスの前期(2021年3月期・連結ベース)売上高は、約22億円(前期比2億7500万円減)、営業損失5億3900万円、当期純損失5億3800万円。売上高に占める化粧品等(通信販売事業)の売上比率は、約95%に上る。95%の売上比率は、子会社マードゥレクスの化粧品事業の売り上げで占める。また、現在、連結対象の子会社2社を含む全従業員数は、約49人を数える。

上場しているとはいえ、売上高、社員数などから見て資本金(3億3000万円)以外は、中小企業の規模・領域にある。
2021年7月でパスの傘下に入って満6年になるマードゥレクスの化粧品事業は「エクスボーテ」ブランドのファンデーションなどをカタログやネットでの通販や大手通信販売会社等への卸販売及びバラエティショップや百貨店での店頭販売を行うなど多チャンネルによる販売攻勢に打って出ている。また、同社は、東南アジア向け越境ECに乗り出す一方、外部のCRM(Customer Relationship Management=顧客管理システム)システムを導入するなどして販売管理の充実を図る動きにある。

さらに、化粧品の拡販につなげる狙いで、2021年4月から女性アーティストやアスリートをサポートする「スポンサープログラム」の提供を開始した。
同プログラムは、応募した中から、審査に合格したアスリート・アーティストに対して4つのプログラムをサポートする。
4サポートプログラムとして
⓵肌専門家による肌診断及びカウンセリングの実施
⓶肌診断に基づきぴったりのスキンケア商品の提供
③アスリート・アーティストのプロモーション・ビデオを制作しYouTubeや各種SNSにて配信
④音声SNS「Clubhouse」などライブ番組ゲスト出演の機会を提供など。

今年年度中に1000名のへアーアーティストやアスリートへのサービスを目指す。

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