【連載】化粧品各社のイノベーション研究河野メリクロン ~育毛剤の特許取得、化粧品強化策見えず~

2021.08.12

特集

編集部

河野メリクロンは、自社開発の育毛剤について特許を取得(2004年)している育毛剤開発に関わる特許

育毛剤の特許は、顕著な発毛、育毛効果があり、生体に著しい副作用を起こすことのない発毛・育毛剤に関するもの。

従来、発毛・育毛罪に関しては、ホルモン剤、血流促進剤、細胞活性化剤成分等が提供されている。しかし、その大部分は、発毛・育毛効果に優れているとはいえ、副作用があるという問題をかかえていた。

従来の植物抽出成分については、安全性であっても、発毛・育毛効果が十分でない難点があり、発毛・育毛効果に優れ、なおかつ安全性に優れた有効成分が見つかっていない状況にあった。

そこで、同社は、発毛・育毛効果を達成するとともに安全性の向上を図るため、化学合成物の代わりに天然植物中に存在する有効成分を抽出した発毛・育毛剤の開発に取り組んだ。特に、有効成分として蘭科植物のエビネ属又はガンセキ蘭属の植物抽出エキスを1種以上含有する発毛・育毛剤の開発に狙いを定めた。

同社は、課題を解決するための手段としてラン科シンビジウム属の植物の抽出物が発毛・育毛効果に優れ、また副作用を起こすおそれがないとの知見を得、本発明を完成するに至った。

開発した育毛剤は、有効成分としてラン科シンビジウム属の植物の全草から得られる抽出物を含有することを特徴とするもので、白髪改善効果を兼ね備えているのがミソ。

同社は、この育毛剤開発の特許取得に続いて抗がん剤や石鹸についても特許を取得していると説くが概要、特許内容について詳細は明らかでない。

現在のところ特許を取得した毛髪剤に加えてコスメに関わる新商品開発が期待されるが音沙汰の状態。

同社に対するイメージは、洋ランの販売に付随した格好で育毛剤等の事業を展開する色合いが強い。今後、洋ラン抽出エキスの販売強化と合わせて新規化粧品の開発促進など化粧分野の強化に打って出るか、注視されるところだ。

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