美容家電ニュース ~アパレルのパルグループが家電事業に新規参入~
2021.09.3
編集部
化粧・美容の新ジャンル領域として美容家電がある。この美容家電分野にパナソニックなどの電機会社や資生堂、花王、コーセーなどの大手化粧品会社が相次いで参入する中、ここへきてアパレル分野からも美容家電に参入するなどの動きが出てきた。
アパレルショップや生活雑貨店などを展開するパルグループHD(1部上場、2020年2月期連結売上高1322億円))は、同社が開設・運営展開し、化粧品等も販売する店舗「スリーコインズ」(3COINS=写真)で、2021年7月から美容家電の販売を始めた。
スリーコインズで販売を始めたのは、リセットブラシ、フェイスクレンジングブラシ、ホットアイラッシュカーラー、LEDライトミラーなど。いずれも「アンド アス」のブランドで販売する。
同社の直営店舗数は、全国に約926店舗開設。主に、都心の商業集積地や大型独立店舗、郊外の大型ショッピングセンターなどに出店している。
店舗形態は、立地形態により「3COINS」、「3COINS+plus」、駅構内にある「3COINS OOOPS!」、「3COINS station」の4つがある。
同社が美容家電分野に新規参入したのは、コロナ禍で、肌の手入れなど顔や髪、全身効果・効能のある美容家電が巣ごもり需要として期待されていること。
また、美容家電の市場が、この2年間、年平均出荷額が2100憶円台で安定推移しており今後も、微増ながら「堅調な需要が期待できる」と判断したことによる。
同社では、需要を掘り起こし、販売を伸ばしていくため今後、高機能化を図った新製品を開発し市場投入する方針。
美容家電分野には、花王が極薄膜と美容液を組み合わせ、極細繊維を直接肌に噴出し、肌上に極薄膜をつくる美容家電「高性能噴射機器」を開発し、2019年12月に市場投入するなど先陣を切った。
資生堂は、美顔器大手のヤーマンと合弁会社 「エフェクティム」を設立し2021年3月から日本国内や中国等で販売始めた。
そうした中、コロナ禍で需要が大幅に減少し大量消費が終焉しているアパレルとって「新たな物作り分野として美容家電が救済の受け皿となり、延命に繋がる事業分野となりえる」との期待は大きい。今後、アパレル各社の化粧品分野への参入と合わせて美容家電参入への動きが注目されるところだ。