(85)エヌアイエル /下 ~植物由来成分をSNP 化して配合のヘアケア商品で攻勢~

2021.10.7

特集

編集部

エヌアイエルは、毛髪色素を増強する植物成分「タラタンニン」の有効性について特許を取得(2019年8月)した。 特許名「毛髪色素増強剤」。

特許を取得した植物成分の「タラタンニン」は、毛髪色素形成に関与する細胞に作用して毛髪色素の生成を促し、従来のメラニン産生促進剤や白髪防止組成物に比べて、より優れた白髪防止改善能力を発揮する。

タラタンニンは、髪の黒密度(色合いと量)に働きかけるスイッチのような成分。

同社と筑波大学との共同研究により、南米ペルーの固有種であるカエサルピニアスピノサのつける豆から抽出されるポリフェノール成分(慣用名・タラタンニン)が発毛およびメラニン産生を強く促進することを見出した。その結果を2017年10月にカナダ・モントリオールで開催されたポリフェノール関連国際会議で発表した。

このタラタンニンを同社が開発した革新的ナノ技術から産まれたスーパーナノ粒子「SNP」を使って頭皮のメラニン色素にかかわる部分に効率的に搬送・浸透し、頭皮を健やかに整えることを実現。2017年10月に植物由来の有効成分タラニン(特許出願済)をSNP化して配合したヘアケア製品「SUNA BIOSHOT」を商品化し、主に通販と全国の美容室向けに発売をはじめた。さらに「SUNA BIOSHOT」の拡販を図るため、2018年 8月 に「かながわイノベーション戦略的支援事業」(助成制度)に選定され、事業化に拍車をかけた。

直近で注目される動きとして同社は、植物由来色素100%の白髪用カラートリートメントとして低刺激と高い染毛性の両面を確立した「カラートリートメント」(写真)を商品化し、2021年1月に市場投入した。

合わせて、同商品の拡販を図るためリードヘルスケア(北九州)と同年1月に業務提携し現在、全国のドラッグストア、薬局・薬店、バラエティストア等へ共同で販売攻勢をかけている。

今後、SNP技術を用いて高機能化粧品、医薬部外品、機能性表示食品等様々な分野で商品開発、市場開拓を進めて行く方針。

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