女性経営者連載9・マックス(上) ~創業116年の老舗企業、石鹸アワの成分特許申請~

2021.11.21

特集

編集部

石鹸メーカーの老舗企業マックス(大阪府八尾市、社長大野範子氏)は、1905年3月に大阪市で、小川石鹸製造所として創業。1976年に現社名に改称した。2021年現在で会社創業は、116年になる。
同社は、戦前から手洗い石鹸を主体に製造・販売。その後、ライフスタイルの変化に合わせてお中元・歳暮用などの「ギフト石鹸」、敏感肌、小児用向けの「無添加生活シリーズ」、デオドラント商品の「太陽のさち」「薬用柿渋シリーズ」、若い女性向けの機能性バスソルト「汗かきエステシリーズ」、かゆみを抱える人のための「アレルジーナネオシリーズ」、敏感肌用石鹸「素アワシリーズ」など次々と商品開発を行い、用途に合わせた商品の幅を広げてきた。
この中で、敏感肌用石鹸は、医薬品等の製造品質管理基準(GMP)に沿った自社工場(大阪、奈良)で生産。また、同じラインで医薬部外品以外の石鹸も広く製造するなど信頼性・高品質を実現している。また、医薬部外品の敏感肌用石鹸「素アワシリーズ」は、肌を洗う時の摩擦を極力抑えるよう泡にこだわり、肌が弱い人でも楽しいバスタイムを過ごせる狙いで開発した。
特に、素アワシリーズは、肌トラブルを防ぐために石鹸アワで「洗う」と保湿成分などで「潤す」の2つをベストミックスして開発したもので、特許申請済み。
中でも、素アワは、きめ細かく弾力性がありこの泡がクッションになって角質を傷つけずに洗い流す。また、有効成分の「グリチルリチン酸ジカリウム」(甘草から抽出される植物由来の抗消炎剤。スキンケア製品、シャンプーなどに使用)の働きで肌荒れを防ぐ。さらに、肌の表面を保湿しながら洗い上げ洗顔後も肌のつっぱり感をおさえる。
こうしたアワの特性について同社は、実証試験を行い、角質水分量の変位が洗浄前100%だったのに対し、洗浄20分後では、105・7%と5・7%アップした。同時に、肌の弾力性の変位試験(実験データ参照)では、洗浄前に100%だったのに対し、洗浄20分後では、110%に増加した。同時に、素アワのアレルギーテストで「陰性」、2つの刺激性テストで「無刺激性」の判定結果を確認している。


こうした高信頼性に裏付けされた商品を同社は現在、スキンケア、バスソルト、デオドラント、入浴剤など約7品種、30品目を商品化し、通販市場中心に投入・販売している。

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