【インターンシッププログラム】REAL VOICEお客様視点を大切に!変わらずに続ける取組みと時代に合わせた順応
落合 美穂,落合 美穂
「新事業の立ち上げ」
-滝澤さんが所属されている広報室はどんな仕事をされているのですか?
私は管理本部の中の広報室と社長直属の部署としてある社長室を兼務しています。広報室は一名体制なので、企画提案やリリース作成、配信なども私一人で行っています。広報室の仕事だけではなく、管理本部と社長室に所属しているので双方から指示があって動くこともあります。ですが基本的には独立しているので私自身が考えて動いています。
-1日の流れを教えて下さい。
実は特にルーチンのような流れはありません。強いて言えば、お薬を扱っていますので、薬系の業界紙で情報収集して関連した部署に朝一にメールで伝えるという作業は毎日行っています。あとは月に一回、弊社の売れ筋ランキングリリースを発表しています。決まって行う仕事はこれくらいです。
-日常生活で仕事のために意識していることはありますか?
ケンコーコムという名前の通り、健康関連商品を中心に扱っていますので、テレビや雑誌、友人との会話でも「健康」についてアンテナをはるようにしています。健康関連の媒体の方々とお話をする際に、今どんなワードが流行なのか、今どんな商品が注目されているのかなどを知っていないと会話についていけません。だから、少しでもそういった情報は得るように意識しています。
-滝澤さんの記事にBtoBとBtoCビジネスの違いに順応するのが難しいことが悩みとありました。それを含めて仕事上大変だと思うことは何ですか?
私は前職までBtoB、つまりC(消費者)をあまり意識しない仕事を続けてきました。ケンコーコムに入社してからは、日々やり取りするのは記者の方々でBtoBの部分もありますが、弊社は直接小売りなのでお客様に物を売って、そこでお金をいただいて初めて成り立っている会社です。だからそのCに向けた視点というのが大切です。弊社の理念の一つに「お客様の気持ちに入ろう」という言葉があります。そこからも分かる通り、弊社は非常に顧客視点を重視している会社です。その部分は入社してから前職までとは違うなと思いました。
現在大変であると感じるのはメディアの露出についてです。社名がテレビや雑誌、新聞に露出すれば、それはそれでもしかしたら私の仕事の成果が出たといえるのかもしれません。ですが、それを見たお客様がどう反応するのかということをやはり見ていかなくてはなりません。例えば、こういう物がケンコーコムで売っています、とテレビで流れたとします。そこだけ見れば良いことであり、ありがたいことなのですが、本当はその商品の在庫が少なくて、たくさんのお客様のご注文に対応できないタイミングかもしれません。そうすると露出したことは良いけれど結局はお客様にご迷惑をかけてしまいます。メディア露出をして、それに対してお客様が反応して、それを社内でどう対応するかという所まで本当は見なければいけないと思います。多くメディア露出すれば良いということとはまた違ってくるのでそこは難しいと感じます。
-今一番力を入れている企画はありますか?
弊社は今年薬のネット販売をめぐる案件で最高裁で勝利しまして、それを機に薬のネット販売を再開しました。それによって薬関係について弊社が注目されることが多くなっています。ですがこれ以外にもケンコーコムならではの話題というか、ECと絡めたフックとなるようなものを自分で見つける、または作り出して、それを構成して世の中に拡散していきたいです。それによって、また別の見方からケンコーコムを世の中に知っていただける機会になればと思っています。
-薬は非常にデリケートなものだと思うのですが、薬を多く扱うことになって広報として何か知識を増やしたりしたのでしょうか?
勉強しましたね。私よりずっとこの案件を追ってくださっている記者さんとか薬系の業界紙の方は本当に深い知識を持っていらっしゃいます。そういう方々のお問い合わせにお答えできるように、薬事法などの法律問題を理解することを含めて知識を増やしました。もしわからない場合は一度持ち帰って、社内の分かる人間に聞いたり自分で調べたりして、正しいお答えをするというのは必要です。
-企業全体の質問となりますがケンコーコムが他社に負けない強みはなんだと思いますか?
弊社は20万ほどの商品を扱っています。それに対して普通のドラッグストアさんは何千商品ほどの取扱いです。ECだからこそ面積にとらわれないで多くの商品を扱うことができるということ、それは弊社の強みの一つだと思います。他には売れ筋の商品だけでなくニッチな商品もロングテールの思想でたくさん扱っていることや、10年以上の経験値を積んでいるので他社さんよりもどうすれば安全にお客様にお薬を提供できるかという知識を持っていること、そして先に述べたようにお客様の気持ちに入ろうというお客様視点が非常に強いことです。これに関しては、国内最大規模の商品数を抱えているにも関わらず社内だけにコールセンターを抱えていることが挙げられます。例えば、弊社は基本的に商品の返却無制限という取り組みを行っています。ご返却いただいた商品はもちろん再販できませんが、それでもきちんとご返却に応じることが、一番お客様にしなければいけない対応だと信じて行っています。それが「またケンコーコムで買おう」というモチベーションに繋がると思いますし、もう十数年展開している会社ですがそこはぶれずに現在も行っている取り組みです。ECって結構システマティックになっているのですが、その中でこんなにハートが入っている会社は少ないと思います。
-シンガポールに子会社を設立したり、英語版サイトやYahoo!ショッピング支店、楽天市場支店の展開やスマホ対策など様々な取り組みをされていますが、ケンコーコムを広めるために今後どのような展開を考えていますか?
ECというものが今や一般的なお買い物のチャネルになっていて、翌日配送や当日着ということも普通となっています。他にも送料無料のラインも下がってきていて、消費者の方は送料なんてかからないのが普通と思っています。そのようにECに対してお客様の要望のハードルが急速に上がってきています。そこにできる限り対応していかなければならないので、そのためにロジスティックスの再構築等を進めていて、「なるべく早く」「なるべく安く」お客様に届けるための努力はケンコーコムとして行っています。
-広報部に興味がある学生のために、滝澤さんが考える広報部に適した人物像を教えていただけますか?
広報というのは会社だけの色に染まってはならないと思っています。社員なので片足はもちろん社内につけているのですが、もう片足は社外につけていないといけません。会社の良さを売り出すだけの人にならずに、弊社を取り巻く社会全体が今どのような動きをしているのかをきちんと見て、問い合わせに対応し、社内にフィードバックすることが広報担当者には必要です。利害を超えたリレーション構築ができる人、そういったことを考えられる人が広報に向いていると思います。
そのためにも私は新卒でいきなり広報部に来るよりも、様々な部署で少しずつでもよいので経験してから来ると非常に良い広報マンになれるのではと思います。様々な部署で経験を積んでおけば、その部署の方々の気持ちも理解して知ったふりをして世の中に発信するのではなくて、より心をもって問い合わせに対して対応することができると思います。私は弊社に広報として入ったので良くないと思うのですが(笑)、例えば新卒の方だとしたら、広報に入りたいと思って入ったとしても、最初は広報部じゃなくて様々な所を回った方が絶対自分のためになると思います。
今回はケンコーコム株式会社で広報室兼社長室を担当されている滝澤さんにお話を伺いました。お客様視点を重視した理念や取り組みを続けることが会社を支え、成長することに繋がるということがわかりました。
滝澤さん、お忙しい中ご協力ありがとうございました。
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