「化粧品原料メーカー、商社の事業展開に迫る」【19】 化粧原料フラーレン認知度UPと産学連携の医薬品開発に意欲(下)

2014.05.30

特集

編集部

ビタミンC60バイオリサーチは、2014年1月に30歳から59歳の女性300名を対象とした基礎化粧品のネットリサーチを実施した。調査結果は、1ヵ月当たり5,000円以上使う女性が基礎化粧品を選ぶ際に重視するベスト3として、「効果・効能」「配合成分」「金額」を挙げたほか、他の女性の顔を見て約7割の女性が「肌の美しさ」に注目すると回答。また40代、50代の女性が肌の悩みについて「シワ」と回答したのが最も多く、30歳では「毛穴の開き・黒ずみ」が最上位を占めるなど年代によって悩みの違いが鮮明になった。さらに、10年前と現在のスキンケアに対する意識の変化については「基礎化粧品の成分重視」が63.7%にのぼるなど美容成分に対する関心の高さが明らかになった。

同社では「主力ユーザーの化粧品メーカーなどからフラーレン自体と化粧機能性、用途などについてさらに啓蒙して欲しいとの要望が強かった。こうしたユーザーの要望に呼応して調査を行なったもの。今回の調査で明らかになったデータをフラーレンの販促や用途開発などに活用し、合わせて多くのパーソナル女性にフラーレンの認知度をアップして行きたい」としている。

一方、同社と三菱商事は、水酸化フラーレン交流会を開催し、国内の主要大学と水酸化フラーレン(フラーレン誘導体)の医療分野への応用研究に取り組んでいる。

フラーレン誘導体の合成から分析、評価までを一貫して取り組む体制を確立し、フラーレンを利用して体内の有害な活性酸素をコントロールする医薬品の開発を目指す。

同社は、同交流会に名を連ねる聖マリアンナ医科大と共同で、フラーレンを用いた変形性関節症の治療薬に関する共同研究に取り組むなど関係は深い。

聖マリアンナ医科大での薬理効果などの実験には、同社が開発した生体向けバイオフラーレンを水溶化した水酸化フラーレンを使用した。

表に同交流会で発表した主な大学のフラーレンに係る医薬品研究内容(概要、研究者個人名除く)を示す。同交流会で各大学の研究者が発表した内容は、同社が大学と共同研究に取り組むフラーレンの医療分野応用への一端を示すものとして興味を引く。

バイオリサーチ表

現在、国内外で、フラーレンを金属原子に内包した「金属内包フラーレン」を核磁気共鳴用の造影剤やがん放射線治療など医療への応用研究が活発化している。

そうした中、産学連携でフラーレンの医療分野への応用開発に取り組み、新たな市場創出を図る同社のベンチャースピリットに熱い視線が注がれている。今後、臨床試験を含めて具体的な医薬品開発の成果が待たれる。

 

お問い合わせ
ビタミンC60バイオリサーチ

 

#

↑