化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【15】キレートジャパン、上海工場の許可申請中。営業戦略が急務(下)

2014.09.19

特集

編集部

株式会社キレートジャパン(東京都豊島区)は、来年早々にも自社ブランドのフリーズドライコスメ立ち上げに伴い中国・上海工場で自社ブランドと0EMの生産・販売に乗り出す計画。現在、上海工場の製造・販売許可を申請中。
「認可が下り次第、生産に入る計画。上海での展示会に自社ブランドの試作品を展示するなどして販促を強化し、来年中に自社ブランド、0EMの生産比率を半々に持って行く考え」(佐藤社長)。また、現在、タイと台湾の現地法人5社と提携しており自社ブランド品の輸出に力を入れる。今後、香港と北米・カナダの事務所を含めて海外での営業強化が注目される。

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国内の主力工場は3年前に操業した宮崎工場(都城市)で、フリーズドライ専用のクリーンルームや無菌室(写真)を設置して、衛生管理のもとで製造している。同工場には、ハイテク生産設備と合わせて研究開発用の実験機も導入しておりラボ機能を持つ。

化粧容器にもこだわりを見せる。医療機器メーカーが開発したプラスチック化粧容器「エアレスボトル」を採用している。
エアレスボトルは、容器底部のピストンが上昇して内部の化粧液を押し出して吐出する構造を成す。吸引時に外気が容器内部に取り込まれることがなく使用中でも内部の化粧液が外部の空気に触れることがないのがミソ。
同社にとってこれからの大きな命題は、営業力強化による受注の拡大策。「これまでは、知人の紹介や口伝えで受注に繋げてきた。現在は、組織力の強化と営業戦略が焦眉の急の状況にある」(佐藤社長)。
これまで、フリーズドライ製法によるフリーズドライコスメの開発や角質層に化粧成分を浸透させるカプセル化技術など技術開発型のベンチャーとして一定の技術成果を生み出した。
それがフリーズドライコスメの代名詞にもなり同社の存在感を見せるまでになった。しかし、販売チャネルの確立など自社の販売ネットワーク網の構築は、差し迫った課題。
引き続き、大学との共同研究による新技術・新製品開発に力を傾注して行く考えだが、一方で、人材の雇用や登用による組織力の強化と活性化および内外にわたる具体的な営業戦略が求められる。
技術の訴求力をいかに営業力に繋げ事業を成長軌道に乗せるか、上場という大きな野望に向けた今後の営業展開に大きな期待が膨らむ。

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株式会社キレートジャパン


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