「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【7】第一三共ヘルスケア 生薬配合新育毛剤の売上高初年度14億円計画(上)
2015.06.8
編集部
頭髪用発毛・育毛剤ブランド「カロヤン」を展開する第一三共ヘルスケアは、今年5月から新製品の育毛剤「カロヤンプログレシリーズ」(写真)を市場投入した。同シリーズは、発毛促進とスカルプケアのダブルの効果が特徴で、発毛促進薬5品目(いずれも0TC医薬品・第3類医薬品)と薬用スカルプシャンプー・コンディショナー3品目(いずれも医薬部外品)の計8品目で構成する。髪の悩みや頭皮の状態に合わせて選べる新発想の“トータルヘアケア製品群”を投入することで、カロヤンブランドの活性化につなげる。8品目合わせた初年度(2015年度)売上高は、14億円を見込む。
今年5月から市場投入した発毛促進薬「カロヤンプログレ」シリーズは、発毛促進と頭皮ケア(スカルプケア)のシナジー効果を狙いに開発した。
頭皮タイプに合わせて発毛促進薬シリーズには、脂性肌向けのEXOタイプと乾燥肌向けのEXDなど5タイプがある。
5タイプの内、EXOタイプとEXDタイプは、主成分で血行促進作用がある「カルプロニウム塩化物水和物」を0TC医薬品としては、最大量となる2%配合。また、5タイプには、毛乳頭細胞を活性化させる作用がある「チクセツニンジンチンキ」や皮膚の脂質量を下げる作用がある「カシュウチンキ」などの生薬を配合している。
薬用スカルプシャンプー・コンディショナー3品目は、ノンシリコンタイプで無香料。抗炎症成分やビタミンE誘導体を配合し血行を促進するなどの特徴がある。
同社の育毛剤ブランド「カロヤン」は、1973年に頭髪用の発毛・育毛剤として国内初のOTC医薬品として誕生した。以降、壮年性脱毛症や円形脱毛症などに対して優れた効果を持つ「カルプロニウム塩化物水和物」を主成分とする発毛促進薬を中心に商品アイテムを拡充してきた。
今度、市場投入したプログレシリーズについて同社は「髪の悩み・頭皮の状態に合わせて選べる新発想のヘアケア商品。当社は昨年、20~60代の男性1万人を対象に毛髪に関わる調査を実施した。調査の結果、薄毛や抜け毛など髪や頭皮を気にしているものの63.8%の人が発毛・育毛ケア製品による対策を行っていないことが判明した。こうした潜在層に向けてそれぞれの髪の悩み・頭皮の状態に合わせて選べる新たなトータルヘアケア商品として提案。同時に、プログレシリーズは、男女分け隔てなく使われる商品であることを前面に押し出して訴求力の向上を図って行く考え」としている。
同社では、プログレシリーズを「育毛の新たな挑戦」と位置付けて5月から全国の薬局、ドラッグストアなど合わせて約1万3,000店で販売を始めた。