「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【12】クラブコスメチックス、奈良県産の和漢植物エキス5種類を化粧品に配合(上)
2015.07.10
編集部
株式会社クラブコスメチックス(大阪府大阪市)は、奈良県産の和漢植物エキスを用いたユニークな化粧品を展開している。オールインワン美容液『ならこすめ エッセンス』と『ならこすめ 大和の恵クリーム』は、ヤマトトウキ、ヤマトカキハなど5種類の生薬を配合。肌のふっくらなハリや透明感を体感でき、リピート率の高い商品となっている。
同社は、明治36年の創業で、100年以上の歴史がある老舗化粧品会社。前身は、東洋の化粧品王と呼ばれた中山太一氏が、神戸市花隈町において創業した雑貨と化粧品の卸商「中山太陽堂」。以来、中山氏の精神を引き継ぎ、品質重視の商品にこだわってきた。
現在、『クラブ』『サロン ド フルベール』『シゼン』の3ブランドを展開することで、肌に対するやさしさを追求している。『クラブ』は、「母から娘へ、娘から孫へ」と世代を超えて受け継がれるロングセラー商品から、時代のニーズをいち早くキャッチした商品まで幅広くラインナップ。『サロン ド フルベール』は、紫根エキスを中心に独自のナチュラルサイエンスで内外のトータルビューティを実現する商品で、フェイシャルサロンも全国で展開している。
『シゼン』は、産地限定の素材を厳選した地域振興の一翼を担うブランドで、日本の自然の恵み、日本人の肌に合う天然成分に徹底的にこだわった商品を取り扱っている。五島椿のスキンケア『玉椿』は、長崎県の五島列島の椿を使用。無農薬で育てた葉を一枚一枚手作業で摘み取り、質の良い葉だけを厳選することで、直接触れる肌へのいたわりを考慮した。『ならこすめ』シリーズも、同ブランドの1つだ。
『ならこすめ』シリーズの誕生は、2011年11月に開催された、奈良県と中国甘粛省主催の「漢方薬日中シンポジウム」までさかのぼる。同シンポジウムは、漢方とゆかりの深い同県が、漢方薬に対する理解をより深めてもらうことを目的にしたもので、パネルディスカッションなどのほか、同県の生薬を使った商品も展示。この際、同社も『ならこすめ』シリーズのプロトタイプを展示し、会場で配布したところ、高い評価を受けたという。
『ならこすめ』シリーズの第一弾となる『ならこすめ エッセンス』の開発にあたっては、生薬の有効性や抽出方法などについて同県薬事研究センターと共同研究を行なった。採用した生薬は、通称“大和もん”と呼ばれる歴史のある自然薬用植物で、ヤマトトウキ、ヤマトカキハ、ヤマトシャクヤク、ヤマトジオウ、ヤマトオウバクの5種類。いずれも産地を特定し、生産者の見える生薬にこだわったもので、ご当地コスメとして地域振興の一環を担っている。