【連載】化粧品各社のイノベーション研究【5】コタ株式会社③ ~頭髪化粧品のネット通販防止図る~

2015.12.10

特集

編集部

コタ株式会社が取り扱う業務用頭髪化粧品の中で整髪料やカラー剤、育毛剤は、一般市場品との競合が激しさを増しているほか、パーマ剤はヘアスタイルのトレンドが回帰する傾向が見られず減少傾向にあるなど、取り巻く環境は厳しい。
こうした中、同社は「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモル「旬報店システム」を軸としたコンサルティング・セールスとトイレタリーの販売を中心とした「店販戦略」の二刀流を駆使して今期(2016年3月期・非連結)業績をさらに伸長させる。

特に、同社の主力ブランド「コタ アイケアシリーズ」を「美容業界の近代化」に寄与する製品として位置づけ引き続き、拡販を図るとともに高付加価値ブランドへ育てて行く。また、美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を中軸とした経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を展開し、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術に成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行う。

これらにより、美容室の業績向上を図るとともに、メーカーとして「美容業界の近代化」の実現を十分にサポートできる製品を提供することで、永続的にステークホルダーの期待に応えていく。さらに継続して同社が販売している頭髪化粧品のネット通販による流通防止対策を講じて行く。

毛髪化粧品の非正規販売防止策も興味を引く。同社が現在、販売しているシャンプー、トリートメント、整髪料などの頭髪化粧品は、美容室での対面を原則に販売する製品。
しかし、ネット通販や美容室を経由しない小売店での販売など非正規販売が目立つようになったことから、非正規販売を完全否定するための対策として、ネット通販で販売する動きが見られた場合、販売を中止するよう継続して販売中止を勧告する方針。

同社では「ネット通販など非正規の販売は、顧客一人ひとりの髪の状態に適した製品を選択することができない。結果として当社製品のブランド価値の低下を招くとともに、美容室の業績および消費者にも悪影響を与えることから、非正規販売を完全否定するための販売中止に継続して取り組む」としている。
これらの施策を進めることで、今期の業績は、売上高65億円(前期比5.1%増)、営業利益11億500万円(同12.5%増)、利益7億3000万円(同16.6%増)を見込む。(表に業績を示す)。

無題

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