【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【25】ビーロード① ~地域創生クラスター事業に参画し産学官でスキンケア共同開発~

2016.10.24

特集

編集部

株式会社ビーロード(石川県金沢市)の主力事業は、化粧品・美容品等の企画開発・販売。これまでで新技術、新製品、新サービスの開発に加えて、商品データベース構築による美容業界のIT化推進事業、事業、販促企画や店舗開発など美容サロン経営のサポート事業、美容商材のEコマース(電子商取引)事業など、多様な事業にチャレンジしてきた。
また、新製品開発のシーズを得るため、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)に隣接するいしかわクリエイトラボ内に研究本部を開設、複数のテーマについて産学共同研究を行ってきた。
特に、政府が進める地域創生クラスター事業のサブクラスター形成事業「北陸ライフケアクラスター研究会」に参画し、同研究会を牽引して新たな化粧品を開発するなど、産学官連携による共同開発に力を入れて取り組んできた。

同クラスター研究会は、北陸の医薬・食品・繊維等産業のインフラを活用して、次世代のライフサイエンスビジネスを開発することを目的として発足。同社は、事務局として金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学などの研究室と健康、医療、繊維、食品、美容などに関わる40社以上の会員企業からなる研究会を組織化した。
主な業務は、ライフケアにかかわるシーズ・ニーズの探索、産学官連携コーディネート、研究開発の企画・立案、事業化に関わる企画・立案、公募申請業務のサポートなど。

このような同研究会による産学連携で、2002年4月に研究会ブランドのスキンケア新製品「HLCC化粧品シリーズ」を開発した。商品開発・評価分析・販路開拓など、産学官が有機的に連携した事業モデルが創出された意義は大きい。
このスキンケアを製品化するにあたっては、大学教授らを核に「研究・開発」、「分析・評価」「マーケティング・販売」の3つのワーキンググループを結成。研究段階で、地元の研究家が開発した植物エキス電解酸性水をヒントにヨモギ電解酸性水が生まれ、その製法特許を取得した。以後、2年の歳月を経て4品のスキンケアを実用化した。
HLCCの保湿能実験データ「HLCC」ブランドの最大の特色は、医療グループが臨床試験を行いながら分析・評価し、製品のクオリティを厳しく管理することにある。保湿能実験のデータ(図)をはじめ、皮膚表面への影響、モニター試験を繰り返し行い、結果が出たものだけに「HLCC」というブランドの使用を認めている。
こうした産学連携によるシーズの探索と新技術・新製品の開発は、現在、同社のビジネスモデルの要諦となっている。

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