【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【5】東西薬局、中医アロマサロン併設し外側からも美を実現(下)

2016.12.28

特集

編集部

東西薬局では、漢方相談の際に生活や食養生についても丁寧に指導している。仕事をしている女性の場合、忙しくて帰宅時間が遅くなり、生活リズムがどうしても乱れがち。就寝の時間が後ろに伸びると、十分な睡眠時間が取れなくなる。「卵巣機能の立て直しには睡眠時間の確保がとても大切。お日様が沈むのと連動して、自律神経のリズムに合うように寝るべき。理想としては、夜10時から深夜2時の間は睡眠をとってほしい」(猪越氏)。

食については、オリジナル薬膳スープ「おうちで育膳やさしいスープ 恵」(150g・500円)を用意している。もともと、不妊症向けに開発したものだが、仕事で夜遅く帰宅する人にも最適。夜寝る前にがっつり食べてしまうと胃にもたれ、翌日の体調にも影響するので、スープのような消化の良いものを勧めている。

育膳スープにはナツメ、百合根、山芋、黄精、太子参が液体状になって入っており、胃腸の疲れや乾燥肌の人、病後にも良いもので、しっかり体調を整えることができる。温めてそのまま飲むことも可能だが、このスープと合わせたレシピも紹介。例えば、「鶏と山芋のもち麦おじや」「キャベツと卵の育膳スープ」「育膳スープの海苔リゾット」などがある。レシピを開発した国際中医薬膳管理師の勝木紀子氏によると「卵を落として飲むだけでも十分美味しい」といい、一押しの人気商品となっている。

現在、育膳スープは一部のクリニックで取り扱っているほか、ネット販売と店頭販売で展開している。

吉祥寺店では、中医アロマサロンも併設している。これまで、皮膚トラブル向けにリスブラン化粧品を使った施術を行ってきたが、今年から新たにオーガニックコスメを取り入れたスペシャルコースも展開。不妊症の人にはストレスを抱えているケースが多いため、「楽しみがあったほうが良い」(猪越氏)ことから、妊活応援プログラムの一環としてスタートした。

具体的には、中医オーガニックエステと中医アロマトリートメントの2コースを用意。中医オーガニックエステでは、ドイツのオーガニックコスメブランド「アンネマリー・ボーリンド」を使用したオールハンドによるフェイシャルケアを行っている。ツボや経絡を優しく刺激しつつ、顔やデコルテのこりを丁寧にほぐし、血色の良いハリ肌に導き、高いリラックス効果が期待できる。

施術を担当する中医アロマセラピストでもある勝木氏は「アンネマリー・ボーリンドは、スタッフも自ら使ってみて効果を実感できた」と自信をもって勧める。同ブランドは通常、大手百貨店などで扱っているもので、薬局で見られるのは珍しい。

スペシャルコースを受けたからといって、すぐに効果を期待するのは勇み足。「日々のケアが一番大切なので、自宅でのスキンケアについても指導している。例えば、クレンジングに力を入れすぎないことなど。タオルで顔を強くごしごし拭く人が結構いる」(勝木氏)といい、丁寧なアドバイスを心掛けている。

今後の事業展開については、「できれば鍼灸も取り入れたい」(猪越氏)考えで、外側と内側の両方面からのケアに力を入れていきたいとしている。

お問い合わせ
東西薬局

#

↑