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「高リスク」と分類されるという病気

医学的観点から肥満が問題となるのは、肥満が糖尿病や心臓疾患のリスクを上げるからという一面がある。ある病気に対して「高リスク」であると分類すること自体が病気になっているのではないかというエディトリアルが11月16日、「British Journal of Sports Medicine」オンライン版に掲載された。

著者は、フィンランド・ヘルシンキ大学病院のTeppo LN Järvinen教授。

教授は、例として、心疾患に関する欧州ガイドラインによる高血圧の要治療のしきい値は、ほとんどのノルウェー人を「高リスク」に分類したことを上げている。この「高リスク者」は世界で最も健康な人々であるにもかかわらず「高リスク者」と分類されたこの人たちに、ガイドライン推奨の「治療」を実施していたら、保健の予算全てを使い果たされていただろうという。

また、アメリカの骨粗鬆症ガイドラインによれば、アメリカの白人女性で65歳以上の75%、75歳以上の90%が骨折予防のための薬物治療を受けなくてはならないことになる。また、コレステロールのガイドラインでは、事実上、高齢者層全体が「病気」の範疇にはいってしまう。

血圧、血糖値、コレステロール値などの臨床検査値を、疾患の「高リスク」であるかどうかを決定する「しきい値(閾値)」は、医学研究者や医師によって決められる。しかし、「高リスク」の意味と解釈、それを実際の治療に結びつけることの間には、まだまだ問題がありそうだ

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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