【連載】大手化粧品会社の研究㉚ナプラの会社研究 ~販売契約書にサロン登録し不正防止、武道館でヘアーイベント開催~(下)

2018.06.19

特集

編集部

ナプラの「頭髪化粧品」は、ディーラーを介して美容サロンを中心にロフト、東急ハンズ、ドンキホ―テなど大手量販店卸し対面販売されている。しかし、同社は、サロン専売品がネット通販などで大幅な低価格で販売されるなど商品の不正流通問題に直面。
このため、同社は、ここへきてスタイリング剤、カラーシャンプー、カラートリートメントなどの頭髪商品をこれまでのデーラー経由から同社が直送販売することに変更した。これに伴って販売契約書にサロンの登録を規定するなど不正流通問題の対応を図った。

同社は、永年、サロンでの店販を通して顧客にヘアケア用品を提供してきた。そんな中、不正流通問題は、サロンにとってもメ―カ―にとっても看過できる問題ではなくなった。
特に、この不正流通問題は、同社を含めてサロン専売品の販売形態をとっている多くの企業にとって看過できない共通の悩みとなっている。果たして販売契約書にサロンの登録を規定したことで、不正流通問題が抑止力になるか、成り行きが注視される。

ところで、美容・エステサロンなどの美容業界は、少子高齢化社会で美容師を目指す人材の減少、加藤競争等により厳しい経営環境に置かれており、先行きの不安感が未だつきまとう状況にある。
同社は、こうした美容業界の閉塞感を打破し、美容の価値を広めて美容業界の魅力を高める狙いで「ヘアコンテスト」を開催している。
同コンテスは、全国の美容師に感謝の気持ち伝え合わせて全国の若手美容に活躍の場を提供する狙いで2014年から開催しているもの。全国で開催のヘアコンテストと武道館で開催されるヘアショー(写真)で構成。今年で5回目を数える。
2018年6月12日に武道館で開催されたヘアーショーでは、東日本エリア、東海エリアなど全国4ヵ所で開催された地区予選で勝ち抜いた美容師が決勝にコマを進め、ヘアカットやデザイン等の技を競った。

同社では、引き続きサロンに対して話題性のある色味、短時間で染め上がるカラーの魅力を高める提案を行い、サロンの売上増加に貢献する。同時に、美容の価値と可能性を高めるため、体感できるリアルイベント、PR活動を継続的に実施するとともに日本武道館でのイベントをよりスケールアップするなどして一般消費者への露出を拡大し、将来を担う若い美容師の夢をサポートすることで業界の活性化につなげていく方針。

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