【連載】大手化粧品会社の研究㉛アイエヌイーの会社研究 ~次世代ベンチャー標榜、社内一丸で業務推進~(下)

2018.06.26

特集

編集部

アイエヌイーは、シャンプーなど人気商品ブランドの「ボタニスト」を筆頭に、スキンケア、オーラルケア、サプリメント、ドリンク剤など多数のヒットブランドを持つ。2017年に会社設立10周年を迎えたばかりの若い会社だが、社内の各組織が活発に業務に取り組むなど全社一丸となって成長の軌跡を歩んでいる。

国際事業部は、ボタニストブランドの海外展開を強化している。海外取引先の新規開拓や海外の販売店の売り上げ分析、販促強化の提案等に力を入れて取り組んでいる。特に、香港市場での業績向上にターゲットを当て2020年までに現在の10倍以上の売り上げを実現する方針。

ブランディング事業部は、ブランドの認知拡大や販売戦略に合わせたPRプランを提案。また、ブランドストーリー、ブランドコンセプト,ロゴ・パッケージ制作、販促強化の提案等に取り組んでいる。

EC事業部は、パートナー企業に対して社内業務の委託を行っている。顧客の満足度を高めていくことを最大のミッションとしており同社のカスタマーとしての確立を図るとともにECサイトの運営、売上管理、ECの販売戦略にも取り組んでいる。

事業の要、営業部門は、企業や小売店への商品導入に関する商談及び導入後のプロモーション提案、代理店への情報発信等に取り組む。ヘアアイロンブランドの「サロニア」を国内ヘアアイロン市場で売り上げナンバーワンを目指している。

化粧品の企画開発は、商品管理部が担当している。アイデア収集からコンセプトの立案、試作品の評価分析等を行い社内関係部門との連携を図りながら推進している。最近では、化粧品の中身の成分やマーケティングにも力を入れて取り組んでいる。

いずれの部門も新規人材の充当が焦眉の急の状況にあり、事業企画や海外事業での新規採用の意欲は強い。

ともあれ、同社は、業績について非公開としているが業界内から「現在の社員数は300名、年間200%近い成長を続けている」との高評価が聞き漏れてくる。

真意の程は定かでないが組織力、収益力は大手企業を凌駕する勢いが感じられる。次世代ベンチャーを標榜しながら同社のスピード経営、新規事業にかける意気込みに一段と期待が高まる。

#

↑