【連載】化粧品各社のイノベーション研究【4】フォーシーズホールディングス①~企業買収で事業・収益拡大

2015.12.2

特集

編集部

子会社を通じて化粧品や健康食品の通信販売(コミュニケーション・セールス事業)を主力に事業展開している株式会社フォーシーズホールディングス(フォーシーズHD=東証2部上場)は、企業買収(M&A)による事業・収益拡大に打って出ている。
同社のM&Aに関わる動きとして今年(2015年)4月に100%出資の子会社 株式会社Cure(東京都杉並区)を設立。同年5月に株式会社Cureを譲受会社として、化粧品の製造・販売を行う東洋ライフサービス株式会社(TLS)、化粧品販売業の有限会社東洋インキュベーションシステム(TIS)、ネット通販業のTOYO-NET. JAPAN株式会社(TNJ)の3社(*譲渡人)との間で、事業の一部譲受けに関する契約を締結、傘下に収めた。
3社は、古くなった角質を除去するための製品「ナチュラルアクアジェルCure」や岩塩を原料とする入浴剤「Cure バスタイム」など、Cure 製品を主体に卸販売(ネット販売含む)していた。
同社が子会社Cureを設立して3社を買収した目的は、事業譲受を通してCure 製品の販売を行うことで、フォーシーズグループの既存顧客とは異なる年齢層、価格層を新たに獲得し、合わせて化粧品の卸売という新たな販路を実現するのが狙い。譲受価額 は、6億5000万円。

今年8月には、カラーコンタクトレンズの卸販売を主たる事業とするクレイトン・ダイナミクス株式会社(福岡県福岡市)をM&Aの手法である株式交換(*企業を買収するとき、現金でその株式を購入するのではなく自社株と買収先企業の株式を交換する方法)により子会社化し、傘下に収めた。株式交換は、クレイトン・ダイナミクスの株式1株に対し、フォーシーズHDの普通株式56株を割当・交付した。
」クレイトンダイナミクス「コンタクトレンズ同社がクレイトン・ダイナミクスを株式交換で企業買収したのは、カラーコンタクトレンズ(写真)をはじめ「美」に通じた新たな商品の展開や既存顧客に対する販促活動で、新規顧客の開拓ができるなど高い事業シナジーが見込まれること。同時に、フォーシーズグループとして市場での競争力をさらに高め、企業価値の向上につながると判断して買収に踏み切った。
現在、子会社クレイトン・ダイナミクスは、カラーコンタクトレンズをオンラインショップで消費者へ直接販売を始めている。

フォーシーズHDの今期(2016年9月期)業績は、2子会社の売上(前期は3ヵ月間の売上計上)が上乗せられることから大幅に続伸する。

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