【連載】化粧品各社のイノベーション研究【13】オッペン化粧品① ~基幹業務統合システムで工場の在庫・物流コスト削減~

2016.02.23

特集

編集部

オッペン化粧品株式会社(大阪府吹田市)は、訪販系の化粧品メーカー。創業は1953年9月、「龍宝堂」として化粧品の製造販売を始めたのが起源。今年9月で創業63年を迎える古参企業。

オッぺん化粧品、滋賀工場と研究所現在、琵琶湖の南に位置する滋賀県草津市には、スキンケア、メークアップ、ヘア・ボディケアなど高品質の化粧品を一貫生産する滋賀工場、新成分や新素材を探索する基礎研究部門、基礎研究の成果を商品開発へ応用して至高の化粧品を開発する応用研究部門があり、同社の中枢拠点を成している(写真に滋賀工場を示す)。

滋賀工場は、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001を取得。品質管理体制を基盤として、化粧品などの品質の維持・向上に努めている。
製造の段階でバルク(内容物)に細菌やカビなどの微生物が混入していないか、チェックのため微生物試験を行い、合格したものだけを容器に充填。さらに充填した商品が本当に安全なものか確認するため、再度、微生物試験を実施し、すべての試験に合格した商品を出荷する。
また、新しく採用する原料は、全て基礎研究の段階で人パッチテストを行うなど安全性・信頼性を実現している。安全性試験は、研究員の皮膚に原料を貼り、皮膚に対する刺激性やアレルギー反応を調べるもの。研究開発でレシピができた段階で、微生物が入らないか、抗菌性があるかなどを調べる微生物試験を実施している。

同社は、経営の効率化やスピード化などを図る目的で、2003年に企業活動全般にわたる業務を全社的に統合した企業情報システム「統合基幹業務システム」(ERP)を構築した。
同基幹業務システムは、生産計画・発注・仕入・出荷・在庫・原価に至るすべてのデータを一元的に管理するもの。
滋賀工場では、同基幹業務システムの構築に合わせて、生産情報システムを導入・運用した。
滋賀工場に導入した同統合システム連動の生産情報システムは、生産業務をソフトウェアの機能に合わせるという発想パッケージソフトを採用し、システムの構築を図った。
現在、滋賀工場は、会計、営業などのシステムと連動して販売データから導き出される需要予測や販売戦略に沿った計画生産、業務の標準化を実現。同時に、生産と物流の連携により、原材料購入の適正化と在庫圧縮、物流コストの削減を図るなど大きな変貌(イノベーション)を遂げている。

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